『指輪物語』の好きなシーン5

 「それでも後世に生ずるかもしれぬ災いはほかにいくらもあろう。なぜならサウロン自身、一個の召使い、あるいは使者にすぎぬからじゃ。じゃがこの世の時の流れをすべて支配するのがわしらの役目ではない。わしらの役目はわしらの置かれた時代にわしらのよく知る田野の悪を根絶する力を貸すべく能力を果たすことであり、そうしてこそ後代に生きる者たちがきれいになった土地で耕作ができようというものじゃ。その時の天気までは責任が持てぬが。

王の帰還、上巻』268ページ