…あなたはかつては定命の存在だった。そう、たしかにあなたはそうだった。そうなはずだ。はずだった。そうだったのだろうか…。
思い出せない。なにも。なにも思い出せない。あなたはなんだったのだろう。なにをしていたのだろう。何をしたために、今この荒涼たる傷つきし大地にいるのだろう?
そしてあなたは戦場に立つ。望んでではない。恐るべき何かに強制されて。それが何かはわからない。恐るべき容姿と力を兼ね備えたなにか強力な存在だ。あなたはその命令に逆らうことが出来ない。あなたはその恐るべき存在に命令され、そして同じように恐ろしい存在に向かって前進する。
あなたと同じように醜く(醜いとはなんだ?)、不様(不様とはなんだ?)で哀れな肉塊が荒野を進み敵(敵とはなんだ?)にぶつかる。敵はあなたの仲間を蹴散らすが、疲れ果ててあなたの仲間に飲み込まれていく。あなたは戦う(戦いとはなんだ?)。戦いの意味もわからず、ただ命令されるままに獣(獣とは?)のように前に進む…
…ある日あなたは今までとは異なる環境にいる事に気付く。何がおきた? ここはどこだ? まるで魔術師の研究室だが。
そう、かつてあなたはこのような研究室を構えていた。懐かしい。記憶が激しい勢いで甦ってくる。何が起きたのだ? そうだ。あの時、あなたは自分が拠点としていたダンジョンで研究の日々を過ごしていた。そして無法な荒くれ者たちがあなたの居室に押し入り、そして…
「くっくっくっくっくっ…。《覚醒》には成功したようじゃな。」
見知らぬ男の声が聞こえる。見たことはない。しかし魔術師のようだ。黒いローブですっぽりと体を覆い、表情も見えない。
「わざわざ招請した価値があったというもんじゃ。さてお前にはこれからいろいろ実験に付き合ってもらうからな…」
いやもおうもない。あなたには選択肢はなさそうだった。
今のあなたにはわかる。あなたは請願者レムレーだ。悪しき道に染まったあなたは冒険者に殺された後、その魂はバートルに飛んだのだろう。そしてアヴェルヌスでの流血戦争を生き抜き、この魔術師に招請されたのだ。
あなたはこの奇妙な第2の人生がどのように流転して行くのだろうと黙考した…
これは覚醒種レムレー(2HD)を種族として扱い、それをピット・フィーンド(18HD)まで成長させていこうとするキャンペーンです。レベル調整値は書かれていないことからこれ幸いと無視します。レムレーを強大化させるかクラスレベルを取得するか、それとも種族を変化させるか、複数の成長選択が出来るようにしようかと。
『病魔の坑道』に4体のレムレーが突撃するとか壮観なセッションが見れたらいいな、とかw