技能チャレンジにおける別アプローチ:または発想の転換
4eの浸透も進んだようで、最近は4e新ルールである技能チャレンジについての議論がそこかしこで行われている。
んではと、こちらも考えたネタを吐いてみるテスト。
技能チャレンジといえば“作業感が強い”“やらされている感がある”“タルい”と散々な評価がある。
俺はいろいろなシナリオの技能チャレンジに目を通して来たので、“技能チャレンジはけっこうおもしろい”というスタンスなのだが、やはりプレイヤー専属でやっている人は情報格差が生じるのかおもしろくないのかも知れない。
DMは全体を俯瞰出来るけど、PLは与えられた情報から判断するしかないからね。
D&Dにおける“技能”とは比較的新しい用語だ。
3eからは必須ルールとなったが、2e以前は(たしか)選択ルールであり、基本は【能力値】判定で行っていたと思う。
3eから3.5eに切り替わる時には選別が行われたように、技能は若いルールなのだ。
さて、3e系列の技能判定を見てみよう。
基本は能動的判定だ。
DMが敵の奇襲を判定する際に、受動的に「では皆さん、〈視認/聞き耳〉判定をしてください。」という程度で、基本的に技能判定とはPLが「DM、ここを〈捜索〉します。」などと能動的に行うものだ。
出目10/20という便利なルールも存在するが、これはPLの判断で、かつ状況次第で“行うことも出来る”オプションでしかない。
これが4eだと勝手が異なる。
技能とはもちろん能動的に判定することも出来るが、受動知覚などのルールが登場したように、受動的判定の比率が高まっていることに気付くだろう。
出目10は存在するが出目20はなく、3eとは違ってPCは常時出目10を行っており、PLが望む時だけ限定的にd20ロールが行えるという具合だ。
私はシナリオに登場する技能チャレンジは、この受動的判定の産物だと思う。
で、技能チャレンジだが、DMGを読む限り、「DMはPLのロールプレイを受けて柔軟に対応しろ」的な事が書かれている。
なるほど、もっともだ! PLの意図を汲まずに杓子定規に判定を推し進めるようなDMはクソDMのそしりは免れないだろう。
(例:読み方のわかりにくい漢字4文字の名前のDM
さて、では実際にシナリオ中に登場する技能チャレンジを見てみよう。
ふむふむ、主要技能はこれとこれ、副次技能はこれか。判定結果や技能を用いる意図も書いてあるな。至れり尽くせりだ…。
ああ、と。どこにロールプレイで対応すれば良いですかね?
全行動が指定されてるし、感情の流れすら決まってるし。これのどこにPLの想像力を入れるのよ?
実のところ、上記のようなシコリがあったわけだが、ちょっと発想を転換したところそれが解けた。
- 我々3eに慣れている者にとって、技能判定とは能動的にやることだ
- しかし技能チャレンジは判定を受動的に、ある意味強制的に行わされてしまう
- DMGを見る限り、技能チャレンジは能動的に行うものだ
- シナリオを見る限り、技能チャレンジとは受動的なものだ
なに、この矛盾?
そこで鯛足烏賊は考え(ry
技能チャレンジって、PLが能動的に仕掛けるものじゃね?
例えば重要NPCとの対話中、相手が隠し事をしていると感じたなら、
「DM、このNPCから情報を得たいので技能チャレンジします。主要技能は〈交渉〉、副次技能で〈威圧(語気を強め相手を脅す)〉と〈盗賊(周りにバレないように金貨を渡す)〉を使います。」
とPLが宣言するのはどうか。
これにより、PCは不利な判定を行わず、自分の得意な分野で判定することが出来るわけだ。
DM側は、このNPCは暴力には屈しない(〈威圧〉難易度が高い)とか、賄賂が嫌い(〈盗賊〉は自動失敗)とかを決めればよい。もちろん難易度が下がる場合もあるし、この辺はDM判断。
DMが決定するのは技能の難易度と技能別最大成功回数。
難易度は基本
- レベル÷2+10(適正技能)
- レベル÷2+15(非適正技能)
くらいで良いかな。
技能別最大成功回数は成功総数よりちょっと低いくらいが良いかも。いくら得意技でも、1種類の技能だけで押し切られたらゲームとしてつまんなそ (^ω^)
そして、一番重要なのは“やらされている感”をなくすこと。
そこで提案。「3回失敗する前に@回成功しろ。」の@部分と打ち切るタイミングをPLが決定出来れば良いんじゃね?
そして成功回数はそのままチャレンジ終了後の利益に結びつける。
上の例だと、DMは情報として8回成功で得られるものしか用意してないとしても、PCが成功回数を積み上げて12回成功したなら、上回った4回分の利益は与えるべきだと思う。
金銭やボーナス的なものでなくても、そのNPCと無二の親友になるってのもありでしょうね。
またダイスロールが奮わずこのままでは失敗に終わる(失敗回数2回)ような場合、判定を打ち切って終了する権利も与えて良いと思う。
それまでに5回成功していたら、5回成功分の利益は与えるとかね(情報は得られなかったが友好的に別れたとか)。
つまり技能チャレンジを始める決定権と終える決定権をPLに与えようということ。3eでの技能判定と同じようにね。
また3eでも受動的判定があったように、DMが技能チャレンジを仕掛けるのもありでしょう。シナリオに入っている技能チャレンジはこれを意味すると思う。
PCが始めるのを任意技能チャレンジと呼ぶなら、DMが始めるのを強制技能チャレンジと呼んでも良いね。
いずれにしても言えることは、RPGってのは任意のアクションが行えるのが売りなんだから、アクションを強制されるルールが増えても歓迎はされないと言うこと。
現行の技能チャレンジ解釈における不満点というのは、選択権がないところに起因すると思うわけね。
したがって鯛足烏賊は参加諸氏に言いたい。
「技能チャレンジは、PCに意欲的に使わせよう」