ダンジョン・デルヴの続き

デルヴとは何か? What is a Delve?


 『ダンジョン・デルヴ』は特定レベルに毎に紹介される一連の簡潔な遭遇集である。本書には1〜30の各レベル毎に調整された30のデルヴが納められている。それぞれのデルヴには3つの遭遇が含まれ、ある種の小冒険を構成している。


 あなたは本書のデルヴを以下の方法で使用することができる。


 まず第一に、それぞれのレベルの遭遇は、最小限の手間で既存のキャンペーンに導入することができるだろう。今晩のゲームで、9レベルの遭遇を必要したとする。ならば60ページを開け。それだけであなたの準備は完了だ。物語の骨子は書かれたままを使っても良いし、あなたのキャンペーンに沿って改変しても良い。


 第二に、もしあなたが今のところDMをする予定がないにしても、将来DMをやってみようと考えているのなら、あなたはこれらのデルヴを使って野心を満たすことができるだろう。これを練習セッションとして使用するか、あるいはあなたが廻す最初のD&D冒険にそれらを取り入れろ。簡潔なモジュール式であるデルヴは、初心者DMでも動かすことができる優秀な遭遇を提供する。


 第三に、あなたは我々が提供するデルヴの概念を利用し、より刺激的なD&D冒険に変身させることができるだろう。それは物語朗読とロールプレイの協奏曲ではない。DMは中立性を持った裁定者にして解説者となり、あなたはデルヴをPCs対DMの試練として使うことができる。そのような場合、冒険者はダンジョンに入り、一連の障害を克服する生存ゲームを演じることになるだろう。この方法については後述する。


 最後の、第四の方法はよりプレイヤー志向だ。あなたの卓に変化を与えるため、“いつものDM”に暇を出し、卓外からDMを呼んでデルヴ・ナイトを開いたらどうだろう。これは“いつものDM”がキャラクターとして参加する良い機会となるし、卓外の人との交流を促進することができる。“ここだけの話”、これはいつものキャンペーンでは試すことができない独創的なアイデアを試す好機であり、かつ新規DMを勧誘する好機でもあるのだ。




DM対冒険者パーティ DM vs. Adventuring Party


 たいていのD&Dキャンペーンで、DMは冒険における中立発言を提供する。彼あるいは彼女はルール裁定者であり、かつPCに対する公正な挑戦者として務める。しかし、それだけがD&Dを演ずる方法ではない。


 あなたはデルヴ書式を用いて迅速かつ簡便に対戦型ゲームを行なうことができる。対戦型ゲームでは、PCはデルヴ挑戦者の一員として招集されることになる。一方DMは中立性をひとまず脇に置く ‐ ルールを無視するわけではない。物語朗読とモンスター運用を分離するのだ。こういった構成の場合、DMは強力なる挑戦者 ‐ モンスターとダンジョンの諸要素を活用する対抗者の役割を演じる。PCに関する限り、それはデルヴの各部屋を通過する毎に、生死を賭けた勝負を演じることになる。


 こういった構成の場合、DMは物語朗読や解説といった手間を忘れ、モンスターの運用に集中することができる。それはほとんどボードゲームとなるだろう。しかし初心者DMにプレイの運用法やちょっとしたコツを教えるには最適な方法だ。モンスター運用に集中することで、DMはゲームの基本を学ぶことができる。彼ないしは彼女が、戦闘中に簡単な解説や物語朗読を付け加えていくなら、やがてはそれに慣れ、自然なものとなっていくだろう。


 こういったデルヴを行なうなら、あなたはデルヴのレベルを選択するだけでいい。そしてプレイヤーが同レベルのキャラクターを用意していることを確認しろ。もし彼女らが準備していないなら、DMG142ページ「高レベル・スタート」に基づいて作成しろ。これで万端だ。これなら入念な設定や詳細な物語は要らない。PCは扉を蹴り開け、そして攻略するだけだ。


 PCの目的は、デルヴが終了するまでに可能な限り多くのモンスターを倒すことにある。PCは彼らの全能力を生かして生き延び、デルヴがぶつけてくる様々な障害を楽しむだろう。


 DMの目的は、デルヴに盛り込まれた全環境を利用してPCに挑戦することだ。DMは立場を利用したり不正を行なうべきではない。しかしデルヴとして厳しく挑むべきだ。あなたは全力でモンスターを運用する過程で、PCが共闘してモンスターを捌き、見事にデルヴを攻略するさまを見ることができるだろう。


 この構成は、キャンペーンを小休止させたくなったときや何かを試したくなったとき、あるいは別の困難を与えたくなったときに使うことができる。それは新人DMの紹介や、新しもの好きな卓仲間と遊ぶには最適な方法だ。もちろん、それは完全な冒険と同様の満足感は与えてくれないだろう。しかし単純にダンジョンをさまよう楽しみや、モンスターを叩き潰す楽しみが得られるだろう。刮目せよ! そして実践せよ!




 この辺まで来ると、日本とはだいぶ空気が違うことが分かる。
 「対戦型でやるくらいなら、他のゲームするよ。」
とかいう発言が聞こえてくるような気がするからね (;^ω^) .。oO(俺はこのやり方大好きだが


 たぶん、D&D(というよりRPG)をやる機会と頻度の差なのだろう。学生時代なら、こういうやり方の方が受けてたとは思う。


 なんにせよ、彼らの楽しみの方向の一つに
 『あのクソ・コーデルDMのデルヴNo.○○ *1 を、パーティーNo.□□ *2 で突破したぜ!』
とか言うのがあるのは間違いない (^ω^)




 あと、デルヴの楽しみとは新奇なものを求めるだけではないと思う。


 同じプレロールド・パーティーに、役割を変え、同じデルヴに挑むというのもあるのかもしれない。
 要はチェスや将棋に近いね。プレイヤーは同じ盤面で同じコマを使うが、イニシア/ダイスにより異なる展開が進むというのも同じだろう。
 どれだけ早く突破するか、どれだけ損耗少なく突破するかというのも考慮の対象になるのだろう。


ぜ、全滅ぅ〜。12体の精鋭モンスターが全滅? 3ラウンドもたたずにか!
はい!
一日毎パワーを使いきったパーティー1隊に、精鋭モンスターが12体も…。バケモノか…。
来ます! パラディン! (即大休憩仕様の撃破役型)
落とせ、リプレイに書かれるんだぞ! (;^ω^)


Dungeon Delve: A 4th Edition D&D Supplement (D&D Adventure)

Dungeon Delve: A 4th Edition D&D Supplement (D&D Adventure)




 DAC(愛知含む)の当日卓とかで、手の空いた人を集めてデルヴをやるのはいいと思う。
 全卓同じデルヴ、同じプレロールド・パーティー(ホビジャ公式コンベに使われたやつの流用とか)を使い、戦闘結果を模造紙とかに書き出して壁に貼って公開するとかね。公式掲示板に結果公開もあり。
 どの卓が一番早く進んだとか、キルマークが多かったとか、楽しめる要素はあるでしょう。


 「すげー。○○ってパーティー、あの使えないプレロ・パーティーで最短突破してるぜ」
とか、まさにプレイ技術が歴史に残るというもので (;^ω^)




 10:00〜18:00(食事休憩含む)なら、2デルヴは行けるだろうしね。デルヴ競技会というのも軽く楽しめそうで良い。

*1:きっとイヤなデルヴw

*2:DMが用意した使えないプレロールド・パーティー群の1つ