技能チャレンジとしての索敵

 4版になって、〈隠密〉キャラによる先行索敵がなくなってしまって残念と感じる人がいると思うのだが、1本道シナリオではなく状況次第で遭遇が組み変わるシナリオなら索敵の機会はあると思う。
 4版であるから技能チャレンジとして解決するが、これはそもそも技能チャレンジとは


1つの技能を1回判定するだけでは解決できない事象を解決するため


存在していると感じているから。
 これは3版であっても、〈隠れ身〉判定1回だけで物事が解決しないのと同じ。そのへんはここにも書いたね。


 でまあ、具体的な解決手段としては、

  • 全体マップから考える: 回し方は3版的(というより20世紀的)。
    まずは全体マップから進める。パーティがいる場所から、索敵PCの先行位置を決める。実際に通路や扉を描いても良いし、口頭による描写のみで良いかもしれない。
    索敵PCが遭遇の用意された箇所に差し掛かったら技能チャレンジ開始。
  • 複雑度: 1。ロールの繰り返しは単調を生むし、各DMも判定毎に詳しい描写を繰り返すのは難しいと思われるので、最低単位を推奨。
    『ルールズ・コンペンディウム』p158に基づき、複雑度1の判定は標準難易度4回となる。
  • 難易度: 該当する遭遇レベルに基づく。
    『ルールズ・コンペンディウム』p126に基づき、標準難易度の数値を決定する。
     
  • 第1判定〈隠密〉: まずはこれが必要。これは索敵PCがどれくらいうまく“そこ”までたどり着けたかを示す指標となる。実はバレバレというのはよくあること。
  • 第2判定〈地下探検〉: この判定は目標のいる環境次第。山野を索敵するなら自然だろうし、街中なら〈事情通〉かも知れない。DMのご自由に。
  • 第3判定〈視認〉: 第2と第3は順番どうでもいいのだがこれも必要だろう。誰がどこにいて、何をして、また死角に何がいるのかを突き止めるのが役割なため。
  • 第4判定〈隠密〉: 撤退時にもこれが必要と思う。突入ではないので、敵に気付かれずに引き上げるのが最重要課題。
     
  • 味方の支援: 援護は不可。しかし索敵に同行する味方がいるなら集団判定ルールを適用する(『ルールズ・コンペンディウム』p128)。
    半数以上の成功で成功回数は1増えるので、適切な技能を持った2人組は無事に問題を切り抜ける可能性が高い。
     
  • 成功: パーティは該当する遭遇の「マップ」、「遭遇の環境」、「モンスターの描写」、「モンスターの位置」を把握する。
    具体的には、モンスターの位置がマークされたマップをそのまま提示するのが簡単かつ最善。
    その時点でモンスター知識判定を行なうのも可だが、それが行えるのは索敵に参加したPCのみ。
     
  • 失敗: 索敵PCは実際にそこまで踏み込んでいることから、成功と同じ情報はすべて得られるとする。
    他は深く考えてもしょうがないし、すべてのモンスターが有利な持ち場を離れて追撃戦を仕掛けるとは考えにくいので、抽象的に処理する。
    具体的には、索敵PCの人数分の“回復力使用回数”を、索敵PC(たち)から差し引く。1人なら1回分。2人組なら2回分。余裕のある方から失っても良いし、公平に失っても良い。
    4版の遭遇は、かっちりと組み立てられているため、余計な敵を増やすのは微妙だし、モンスターに不意打ち権を与えない方が良いと思う。
    仮にモンスターにアドヴァンテージを与えるなら、遭遇時のイニシアチブ・ボーナスが良いと思う。


 これにより、パーティはある程度、遭遇すべき遭遇と避けるべき遭遇を選択する権利が生まれると思う。
 また、マップがより任意性の高いものなら、正面入口ではなく奥にある小さな扉から回り込むとか、搦手が使えるようになるかもしれない。
 こういうプレイ・スタイルも悪くないんじゃね (^ω^)




 そして忘れちゃいけないのが経験点。この技能チャレンジは、決定した遭遇レベルに等しい標準モンスターと同じだけの経験点を与える。
 ちゃんと支払おう。それが4版のシステムだから ( ゜ω ゜) .。oO(いっそ、標準モンスター1体を削るのも可