アサーラック:2009『ドラゴン誌 #371 アサーラックの遺産/Legacy of Acererak』より

 俺たちは、あのロクでもない案内人に従って忌まわしい墓場に入った。みんな笑って、くちぐちに強がりを言い合ってた。暗闇に踏み込んだ無鉄砲な冒険者は5人だった。だが生きて出てきたのは俺だけだ。一人目は闇に飲み込まれた。勇敢なリリアンは大胆にもあの大きな口の中に飛び込んだんだ。キャスタはクソッタレな罠を起動させて死んだ。ダートの一斉射撃を浴びて、彼女の血は毒でいっぱいになった。アルグラムは光るポータルに踏み込んだ。俺はたぶんあいつが死んだと思う。だって俺たちに届いたのはあいつの悲鳴だけだったから。そしてフィリップ。可哀そうなフィリップ。あいつはどくろの目を覗き込んだだけで、崩れて塵になっちまった。俺は、俺だけは五体満足で逃げることができた。でも心はそうじゃなかった。墓場の恐怖はまだ俺に付きまとってるんだ。アサーラック。くそったれリッチ。あいつは俺の死を待ってる。俺が死んだら、あいつは俺の魂を盗み、あのクソな場所に残してきた仲間と一緒に放り込むんだ。忘れるなよ。死ぬんだったらアサーラックの墓場を荒らすより簡単な方法はいくらでもあるんだからな。