キャンドルキープ襲撃/Confrontation at Candlekeep D&D Next 20130815


背景/Background

 はるか昔、アスモデウスは手ずから強力な心術呪文を作り上げた。それはどんなクリーチャーでも術者の令下に置き、かすかな魔法的痕跡すら残さず術者の意志に従わせるほど効き目があった。呪文はあまりに効き目があったため、記憶しておくのも危険なほどだった。そのためアスモデウスは、その卑劣な呪文を1巻きの“巻物”として記録することにした。

 ミストラは呪文の存在を知り、それを無きものとすることを望んだ。しかしながら、“巻物”の破壊はそのエネルギーがアスモデウスに還元されるだけであることを危惧した彼女は、自らの“選ばれし者”のひとりを送り込み、それを奪い隠匿させた。

 爾来巻物はキャンドルキープ - フェイルーンの口伝と予言を収集した巨大な図書館 - の大冊と羊皮紙の間に埋もれていた。現在、レルムは大変動と復旧の時代に直面している(『大分割とは?』参照)。アスモデウスは彼の“巻物”の所在を知ると“選ばれし者”ヴァルローンを指名し、広大かつ強力な防御を打ち砕いて“巻物”を見つけ出し、九層地獄の力を返還させるべくキャンドルキープに急行させた。
 

 この竜、この後にスカウトされたんだねぇ…
 いや、当時から“選ばれし者”だったのかもな (ΦωΦ)
 

冒険の要約/Adventure Summary

 冒険者がキャンドルキープを訪問している時、ヴァルローンという名前のアスモデウスの“選ばれし者”が拠点に対して攻撃を開始した。秘密裏に潜入したアスモデウス教徒が要塞の防御陣の多くを機能停止させたため、襲撃に対処することは困難だった。

 冒険者はキャンドルキープの防御を支援する任務を与えられる - 防御陣の回復、敵の抹殺、情報の収集。最後の遭遇において、冒険者たちは“大障壁/グレート・シールド” - 侵入者を放逐し、襲撃を塞き止める不壊の障壁 - の再起動を支援する。
 

キャンドルキープの世間話/Small Talk in Candlekeep

 冒険の過程で、キャラクターがキャンドルキープに住む1人以上のNPC会話をする機会かある。君が何気ない話題を即興で作ろうと考えているなら、以下のキャンドルキープと周辺に関連した情報を利用しろ。

  1. キャンドルキープはいにしえより、遥かいにしえより存在しているので、誰がいつそれを築いたかについては様々な人々が意見を異にしている。キャンドルキープは常に現在の場所にあった。そして石造りの要塞は、常にオグマ神崇拝の中心地だった。
  2. キャンドルキープの修道僧は主にオグマ神やデニーア神を崇拝する学者司祭だ。しかし多くの賢者と“知識の探究者”が、長期間修道要塞に滞在する。
  3. (君がオグマ神の高位司祭か極めて特別な理由を持たない限り)キャンドルキープに入るには、入館料金として収蔵書籍となる貴重書を提供しなくてはならない。
  4. キャンドルキープが主に静かな研究の場であるが、その広間にはアローンドに捧げる終わりなき讃歌が響き続いている。詠唱者に導かれた下級・上級修道僧が、いまだ「実現していない」アローンドの予言を歌いながら僧坊を繋ぐ長い回廊を進む。この行進は決して止まらず、各々の修道僧は途中で交代していく。
  5. キャンドルキープはしばしばその蔵書から書籍/ページを写本し、収入を得るために売買する。呪文や重要な魔法作業、信仰の秘儀に関する写本は滅多に作成されず、極めて高価だ。他にも有用な作品は、フェイルーン各地の貴族や富裕層、図書館が購入を求めてくる。

 

イベントの展開/Running the Event

準備/Setup(10分)

行動の開始/Starting the Action(10分)

エリア1. 亡霊竜の広間/Area 1. Ghost Dragon Hall(45分)

エリア2. 自然の驚異の図書館/Area 2. Library of Natural Wonders(45分)

エリア3. ろうそく砦の断崖/Area 3. Bluffs of Candlekeep(45分)

エリア4. 学びの塔/Area 4. Leaning Tower(45分)

エリア5. 干上がった泉/Area 5. Dry Fountain(45分)

エリア6. オグマ神の祠/Area 6. Shrine of Oghma(45分)

エリア7. 題名不明の図書館/Area 7. Library of Lost Titles(45分)

エリア8. ろうそく砦の防壁/Area 8. Walls of Candlekeep(45分)

最後の衝突/Final Confrontation(45分)

 

結末/Conclusion

 2時間のプレイ・スロットが終了した時点で、ポッド(相互に連動した4-9個のパーティ集団)単位で少なくとも半分の修道僧が生き残っていれば、“大障壁”が再起動する。

ポッドが成功したなら、“第一読師”は以下を読むか読み替えろ:

 キャンドルキープ中の塔から、白い光束が空に向かって伸びあがる。やがてそれはゆっくりと集まると、君たちすべてを内に含む巨大な球形を作りだした。ソード海の打ち寄せる波のように、あなたの足元の大地を力場の鼓動が打ち鳴らす。キャンドルキープの危険に気づいたクリーチャーは、光の壁から後ずさった。下がらなかった者は焼かれた。静寂が要塞を包みこむ。数秒の後、疲れてはいるが歓喜喝采が湧きおこった。キャンドルキープは安全だ - 今のところは。

ポッドが失敗したなら、“第一読師”は以下を読むか読み替えろ:

 キャンドルキープ中の塔から白い光束が伸びあがるが、そのエネルギーはあまりにも早く拡散して消える。“大障壁”を再起動する君たちの試みは失敗した。大音声が轟く。「撤退だ!」 君は外壁と正門から修道僧が我先にあふれ出てくる様子を目にした。背後を血に飢えたデヴィルとケタケタ笑う狂信者が追いかけている。君はキャンドルキープの別の個所を担当した冒険者が、“大障壁”の再起動に成功しないものかと期待しながら、撤退戦を開始した。

 

終幕/Wrapping Up

 プレイヤーが立ち去る前に、彼女らに次の機会と結果について知らせろ。

イベントに再挑戦する/Replaying the Event

 このイベントは最高8つの異なるシナリオから成る。もし彼女らが他のシナリオの利用を望むなら、プレイヤーはこの週末中イベントに参加することができる。
※訳注:このシナリオは2013年のゲン・コン/Gen Conで使用されたもので、開催期間である週末を通して幾度でも挑戦することができた。

イベントを動かす/Running the Event

 もしプレイヤーがこのイベントを回すことに興味を持ったなら、D&D本部ブースのスタッフに話をしろ。このDMは簡単で、おまけにこのD&Dシナリオセットが君に与えられる。スタッフは君のD&Dネクスト人生の始まりを手助けしてくれるだろう。

小説『使者』との関連/Connection to The Herald

 『キャンドルキープ襲撃』のイベントは、“大分割”とエド・グリーンウッドの2014年の小説『使者』と関連する。ゲン・コン2013におけるこの冒険の結果は、小説開始時にエルミンスターがキャンドルキープで経験する出来事に反映される。

意見/Feedback

 プレイヤーはD&Dネクストと『キャンドルキープ襲撃』についての意見を、ウィザーズのプレイテスト担当まで送ることができる。
 

“大分割”とは?/What Is the Sundering?

 “大変動の時代”の終わりは近い!
 
 フォーゴトン・レルム世界は、“災厄の時代”から“呪文荒廃”を介し、1世紀にも渡る数々の破局を耐え抜いた。幾度も幾度も、大変動は万神殿を打ち壊し、国家と支配者を打ち砕き、大地の形すら変えた。現在、世界は揺らぎ、いま一度再構成されている - 最終段階として。
 
 諸神格は新たなる万神殿に座を占める契約を勝ち得るため、混沌に投げ込まれ、這い上がった者だけが権能をつかみ、権威を強固にすることができた。世界中にいる彼女らの定命の代行者 - “選ばれし者” - は、彼女らの意志を遂行する責任を課された。
 
 劇的に世界を再構成させた魔法の破局、“呪文荒廃”は終わった。魔法のウィーヴは編み直され、多くの歪んだ魔法効果は徐々に消え始めている。“呪文荒廃”によって引き起こされた世界の混在は終焉を迎え、アイビアはアイビアに分かれ、フォーゴトン・レルムは以前と同じ姿を取り戻した。
 
 “大変動の時代”の終わりに生じた不穏な政治的状況から、諸神格の“選ばれし者”の活動も激しさを増し、フェイルーン諸国と派閥はそれぞれの計略、策略、侵略に巻き込まれていった。特にネザリル帝国は、デイルランズ、コアミア、ミス・ドラナーを征服しようと試み、東ハートランドを呑み込む戦争を引き起こしている。ハーパーとゼンタリムは世界に拡大する脅威に対処するため組織を集中再編し、徐々にだが以前の規模を取り戻しつつある。国家、地理、魔法、そして諸神格さえ永劫ではなく変転している。産みの苦しみは新たな創造の先触れなのだ。世界には英雄が必要だ。新たな時代を導く希望の曙光であり、襲い来る闇に中で瞬き続ける善の輝きであるからだ。