イグウィルヴの遺産:ツォーカンスの“失われた大洞窟”/Iggwilv's Legacy: The Lost Caverns of Tsojcanth
概要/Introduction
戦争で荒廃したオアース世界の住民にとって、術者イグウィルヴは歴史の脚注であり、また強大なる悪の忠告者であり橋渡し役だ。彼らが忘れ去ったイグウィルヴ - デーモンたちの支配者、グラツズトの愛人、アイウーズの母 - は強力な魔女であり、かつては強力な呪文とデーモンの軍勢を率いて付近一帯を征服した偉大な存在だった。今日、多くの人々が彼女の著作を研究し、彼女が財宝を隠したとされる“失われた大洞窟”の名を耳にするが、イグウィルヴが力を蓄えた秘密については隠されたままだ。
数世紀に渡り、“イグウィルヴの角”と呼ばれる山は、ツォーカンスの“大洞窟”を捜し求める者にとって近くにある地票以外のなにものでもなかった。そのねじれた岩だらけの山頂は、無数の謎と戦慄の物語に彩られ、その正体を見事に隠蔽し続けた。そしてついに、真実が明らかにされる時が来た。“イグウィルヴの角”は単なる地票などではなく、付近の大地を穢す悪の源泉だったのだ。ツォーカンスの“失われた大洞窟”はイグウィルヴのかけがえのない故郷であり、ここで彼女は偉大なる力について学び、途方もない著作を執筆し、悪魔と議論を交わしたという。そして勇猛果敢な勇者は、最終的にこの地に足を進め、巨悪が勃興する前にオアースの中心を穿つ“イグウィルヴの角”を、アビスの深淵に放逐しなくてはならない。
『イグウィルヴの遺産』とは?/What is Iggwilv's Legacy?
『イグウィルヴの遺産』は恐るべき大魔道師の故郷にしてかつての棲処を舞台にした冒険だ。パート1は、大魔道師の山である“イグウィルヴの角”の歴史、周囲と洞窟、外縁について記す。パート2は、古い冒険である『ツォーカンスの“失われた大洞窟”』をD&D3.5版に更新したものを再訪する。パート3は『“角”の内部』であり、山の致命的な部屋々々を探検する。
『イグウィルヴの遺産』は11レベル・キャラクター4人パーティーのために設計されているが、10から12レベル・キャラクターの組み合わせであっても十分だ。一行は少なくとも1つ(できれば多く)の魔法の武器を所有し、またひとりは術者であるべきだ。物語を恐怖仕立てにするのであれば、一行は善属性を主にすべきだが、これはそこまではっきりした要求ではない。実際、全員中立(または悪)のキャラクターであっても、“イグウィルヴの角”と“失われた大洞窟”の広間とねじれた通路を探検するに問題ないかもしれない。
プレイに必要なものは/What You Need to Play
この素材には様々なサプリメントからの情報が必要で、『Heroes of Horror』、『魔物の書1:奈落の軍勢』、『Dungeonscape』、そして各種『モンスター・マニュアル』が含まれる。ここでは適切な範囲で基本的な内容と単純化されたルールが提供される;そのため、これらのサプリメントは冒険に深みを与えることができるが必須ではない。
上記のようにツォーカンスの“大洞窟”と“イグウィルヴの角”はグレイホーク世界に存在するが、それらは簡単にエベロン、フォーゴトン・レルム、また他の設定世界にも移植することができる。DMに必要なのは、山間の国境地帯と、世界史に残るデーモン召喚に長けた大魔道師だけだ。
背景/Background
起源となる1版のS4モジュール『ツォーカンスの“失われた大洞窟”』について若干の紹介をしよう:これは『恐怖の墓所』、『白羽山』、『防壁山脈への遠征/Expedition to the Barrier Peaks』に続く有名なSシリーズの殿だ:
約1世紀ほど前、大魔道師イグウィルヴは悪の軍勢を繰り出し、征服地に居を構えた。 彼女はペルンランドに侵攻すると10年で辺境地域を攻略し、飽くことを知らない欲望のまま略奪を繰り返して巨万の富を築いた。伝説によると、大魔道師が強力な魔力を得たのはツォーカンスの“失われた大洞窟”を発見したためで、この上ない力を得るための秘中の秘を手中にしたとされる。イグウィルヴがこの“大洞窟”から彼女の領国を支配したことは確かだ。そこで彼女はさらに魔力を増幅しようと、秘術実験や儀式に傾倒した。
これらの実験が彼女の失脚をもたらした。彼女が捕らえ使役していたデーモンのグラツズトが事故により解放されてしまったのだ。恐るべき戦いが始まった。最終的にデーモンはアビスに撤退したが、深手を受けたイグウィルヴからは勢力も権勢も永遠に失われた。彼女の勢力は失われ、イグウィルヴの領国は引き裂かれた。彼女の従者や奴隷は財宝を略奪したが敵軍の包囲を受けて四散した。
しかしながら、大魔道師は最後の力を使い、“大洞窟”の隠し場所に彼女の財宝を移した。伝説によると、この財宝には偉大な力の込められた大冊が数冊、そしてダーウーズ・ワンドラス・ランソーンと呼ばれる有名なランプが含まれていると言う。
誰も他に何が隠されているかを知らない。なぜならまだ誰もイグウィルヴの秘蔵物を発見していないからだ。そしてイグウィルヴの生死を知る者は誰ひとりとしていなかった。最近まで、ツォーカンスの“失われた大洞窟”に残る彼女の財宝は、幼子を楽しませるための寝物語と思われてきた。数年の間に、壁掛け、敷物、彫像、希少な美術品が取り戻され、また貴金属の収納箱、貨幣の詰まった袋、宝石や宝飾品でいっぱいの宝箱等も取り戻された。彼女の財宝はすべて略奪され、もはや一片の魔法も財宝も残っていないと思われた。しかしながら最近の調査によると、魔法のランソーンは確かに存在し、イグウィルヴはそれを所有していたという。イグウィルヴの棲処はヴェルヴァーダィヴァ河の峡谷沿い、シュヴァルツェンブルインとハイフォークの間の山中に位置することははっきりしていた。“大洞窟”の場所を捜索するため、アイウーズ領、ペレンランド、ケトはヤティル山脈に遠征隊を繰り出したが、生還した者は少なく、実りはなかった。
“角”の噂/The Rumors of the Horn
“失われた大洞窟”とその周囲について知る多くの人々は、ここで起きた悪しき事どもにイグウィルヴが関与していると考えている。なぜ彼らはそう考えるのか? 猛悪の大魔道師は数世紀に渡ってこの地に住み、恒常的に強力なデーモンを呼び出し、恐ろしい悪しき実験を繰り返したからだ。しかしながら真実は、この山は大魔道師が頭角を現す以前から魔力の中心であった。
今日生きている誰も、なぜモンスターがこの山間に引き寄せられているのか、なぜここに長期間住む者が心身を病むのか、なぜ空気が澱んで悪の気配を感じるのかを説明できない。少数の学者が、歴史が刻まれる以前より、この山にはデーモンのようなクリーチャーが投獄されていたのではないかと予想している。彼らは強力なデーモン・ロード・グラツズトが、この地で憎むべき敵に1000年にも渡って束縛されたこと、敵がついに厭きたこと、また彼に破壊されたことについての伝説を言及している。この強力なデーモンの存在と脱出までの闘争は、この地域に貪欲な蛭のように張り付いた“汚穢”の源泉であるかもしれないし、また“大洞窟”と“角”を隠蔽する虚偽かもしれない。
ツォーカンスの隆盛/The Rise of Tsojcanth
何年も前、ただし歴史家の羽ペンを超えるほどではない過去、ツォーカンスという名前のオアリディアン人大魔道師が魔力を失った。ツォーカンスはモルデンカイネンやオティルークより古い時代の有名な魔道師で、大いなる魔法の学徒にして定命世界の守護者の1人だった。人生のほとんどを費やして、ツォーカンスはオアースを侵略と襲撃から守り続けた。彼はデーモン・プリンスのオルクスとグラツズトの手勢と戦い、恐るべきザ・ハンド・オヴ・ヴェクナの所持者を抹殺し、そして“狂える神”タリズダンの軍勢にすら立ち向かった。かくて、それらの戦いにより彼は燃え尽きた。そして偉大なるツォーカンスは己が死を迎えるべき時が来たことを知った。伝説によると、彼は山脈の根の大洞窟に墓所を築き、その地域の悪しきエネルギーの広がりを遅延させるべく、そこに永遠の眠りについたという。
実際のところ、ツォーカンスについて知られているすべては - 彼の名前すら - 作り話にして欺瞞だ。ツォーカンスを自称する存在はヒューマンのウィザードではなかった。しかしながら強力だった。彼はアビスのプリンスとの間に生まれたハーフの庶子だった。ツォーカンスは魔術と欺瞞の達人で、彼は善の集団から多くの秘儀を学び取った。彼は彼自身の陰謀には目が向かないように欺瞞し、また彼の敵同士が衝突するように周囲を操作した。タリズダンが敗北した後、ツォーカンスは彼の定命者としての仮面が古びていることに思い至り、他の仮面に移る頃合いであると考えて姿をくらますことにした。
イグウィルヴの到来/The Coming of Iggwilv
何世紀にも渡り、その地域は寂れていた。山の周囲には共同体や国家が勃興したが、そこだけは空白地帯となっていた。アビスの“汚穢”が微量ながらも遍在していたからだ。拡張しようとする山間の国々はこの現象に衝突した。渓谷では貧弱な土地を求めて諍いが荒れ狂った。モンスターが、ゴブリンからジャイアントからドラゴンまで、この地に集まってきた。大地から得るものはほとんどないというのにだ。
やがて、イグウィルヴという名の、若く邪悪な魔女が、この地を見出した。
この時まで、イグウィルヴはグレイホーク市に住み、“狂える魔道士”ザギグ・イラジャーンに師事していた。彼女はデーモンに関わる秘密の口伝を含め、彼の側で多くを学び取った。また、彼と共に最強の呪文を発動し、デーモン・プリンスのフラズ・アーブルを束縛した。より強い魔力を渇望したイグウィルヴは、先の偉業を再現するため、師匠の眼を盗んで投獄したアークフィーンドに尋問を繰り返し、フラズアーブルの不肖の息子であるツォーカンスの正体と“忌名”を含め、多くを学んだ。
ザギグの多くのアーティファクトと文書 - 恐るべき“デモノミコン”の基礎を成す“ズィクスの書”を含む - を持ち逃げしたイグウィルヴは、後に彼女自身の名が冠せられる峰の下にある、ツォーカンスの安息地に向かった。彼女は渇望する知識を求め、人型生物とフィーンドの軍勢を引き連れて内部構造に踏み込んだ。
彼女を狼狽させたのは、ここには一冊の呪文書もひとつの古代のアーティファクトも収蔵されていなかったことだ。しかしながら、彼女は山から目には見えない、しかし彼女に影響を与える、アビスのエネルギーが漏れ出ていることに気付いた。彼女はこのエネルギーが彼の者の“忌名”に通じており、彼女は最近会得した招来フィーンドを束縛するだけではなく、彼自身をも束縛できるのではないかと考えた。
意志力の戦いは現実のように激しかった。次元を隔てる壁は吹き飛び、アビスの流れはほんの滴りから渓流にまで増加した。最終的に、イグウィルヴの意志は相手を圧倒した。この時、彼女は最初にザギグの“影”を招来し、狂乱の夢をも圧倒させ得たことに気付いた。
長きに渡って、ツォーカンスはイグウィルヴに仕える最強の奴隷となった。彼は彼女の相談相手であり、執行者であり、デーモンの秘密に関する口伝の源泉となった。彼はデーモンですら驚くほど激しく彼女を憎悪したが、ツォーカンスには彼女が架した神秘的な軛を外す魔力の持ち合わせがなかった。
数十年が過ぎ去ったころ、魔女はツォーカンスにひねくれたゲームを挑むようになった。彼女は彼に一般的な奉仕を命ずることはできたが、彼女の命令すべてに黙従したわけではなかった。彼女は彼をからかい、難問で彼を試した。一方、彼は彼女の力の限界を試した。
しかしながらある日のこと、魔女の興味はアビスの奴隷から急速に逸れていった。なぜなら彼女はより大いなる獲物を手に入れたからだ。どういうわけか、イグウィルヴはデーモン・プリンスのグラツズトの“忌名”を学んでおり、そして彼女は彼を招来した。
大魔道師とツォーカンスの支配権争いが“壮大”であるとしたら、彼女とグラツズトとの意志の戦いは“巨大”だった。イグウィルヴの手勢の多くは殺され、魔法の逸品と神秘的な書物の多くも破壊された。しかしながら、最終的に彼女のデーモン知識の深さと魔力は偉大なるグラツズトをも打ち破るのに十分だった。アークフィーンドは彼女の前に打ち倒され、デーモン・プリンスは単なる定命者の奴隷になるという屈辱を味わった。
この後、イグウィルヴの権勢は高まった。なぜなら彼女はデーモンの軍勢を指揮することができたからだ。彼女は今日“イグウィルヴの角”として知られる山の周囲における無敵の支配者となった。隣国であるケトやペレンランドは彼女に向けて軍勢を送り出したが、彼女はそれらを一蹴した。イグウィルヴとグラツズトは恋人同士になり、そして魔女は彼女がアイウーズと名付けたハーフの息子を産んだ。
イグウィルヴは奴隷であるツォーカンスにはそれほど楽しくない運命を与えた。彼女は2体のデーモンに精神力を集中するという愚かな危険を避けるため、ツォーカントを近くの大洞窟に軟禁した。そこで彼はわずかな手勢の監督と忘れ去られた実験に従事し、彼女が特殊な任務を命じた時だけ外に出ることを許された。
もし環境が以前のままであったなら、イグウィルヴと彼女のデーモンたちは地域全体を、場合によってはオアースの大部分を征服した可能性が高い。しかしながら、最終的に魔女とデーモンの伴侶は、漏出したアビスのエネルギーが山の根を浸し、かつては健全であった大地が“汚穢”されていることを知った。暗黒のイグウィルヴは、より強力に成長した様々な招来や実験を繰り返しており、それはやがてオアースとアビスとの境界を引き裂く危険が予想された。すでに、数体の無制御デーモンが、混沌魔法の波に乗って現れていた。
イグウィルヴは彼女が漏出を塞がなくてはならないことに気付いた。彼女は周辺世界の健全さを気にかけていなかったが、彼女の制御下に無いデーモンの出現には悩んでいた。しかしながら、彼女にはどうすれば亀裂を魔法で封印できるか分からなかった。グラツズトとの討論の末、イグウィルヴはアビスのオアース流入を止めるため、亀裂の真っ只中に魔力源を送り込み、物質界に繋ぎ止める栓にする必要があると判断した。彼女は彼女のデーモンの1体を犠牲にして、永劫に世界間に拘束し、その魔力をもって流出物を堰き止めることにした。
この時、強力なデーモンの女主人は騙されていた。グラツズトは女主人との愛欲関係にもかかわらず、片時も定命者の奴隷という立場に甘んじたことはなかった。彼は亀裂を封印する他の方法を説明することもできたが、イグウィルヴから自由を勝ち取るための方法を強力に推した。グラツズトは大魔道師のデーモンの中で、彼とツォーカンスのみが生ける障壁となれる魔力を持つことを知っていた。彼はイグウィルヴが彼を犠牲にしないことを知っていた。そしてツォーカンスは決して黙したままこのような運命を受け入れないことを知っていた。
実際、ツォーカンスは床に描かれたシンボルと、その周囲のアビスへと至る亀裂を目にした時、自身にどのような運命が到来するかを悟った。最初の10年以来初めて、ツォーカンスは女主人に戦いを挑んだ。いきなりな事に驚いたとはいえ、イグウィルヴは暴走した奴隷を余裕で打ち負かし、半死半生のツォーカンスは床に倒れた。しかしながら、この戦いは魔女を消耗させ、彼女の最強呪文は使い果たされた。これを予期していたグラツズトは、この一瞬の間隙を縫って一撃を加えた。
だがグラツズトはいかにも強大であるが、彼は自身を過大評価しており、そして大魔道師の魔力を過小評価していた。
恋人同士の戦いは何時間も続いた。山は魔力の衝突に定命者の認識限界を超えて揺らいだ。アイウーズは割って入ろうとするも、混沌としたエネルギーの奔流に叩きのめされた。彼の凛々しい顔は歪み、生涯を不快な仮装で覆うことになった。オアースとアビスの間の最後の障壁は粉々に砕け散った。そして混沌の“汚穢”は洪水のように地域を覆い尽くした。
それでもイグウィルヴは勝利をつかんだ。彼女はグラツズトを再束縛するのではなく、プリンスの肉体を破壊して100年間アビスへ放逐した。彼女はツォーカンスの死にかけの肉体を持ち上げると、次元間構造に押し込み、永遠にそこに束縛した。
しかしイグウィルヴの勝利は高くついた。この戦いは彼女が持っていたすべてと彼女が得るはずだったすべてを使い果たさせた。彼女の強力なアーティファクトは今しがたの衝突ですべての魔力を使い果たしていた。彼女の心身は砕けて捻じれ、彼女がかつて有していた強力な魔法を制御することができなくなっていた。彼女は弱体化を手勢に悟られまいと、彼女の財宝すべてをツォーカンスを軟禁していた“大洞窟”に移し、貴重な財産を守るため罠とモンスターを配置した。彼女は“大洞窟”から多くの守護者を去らせた。しかしただ1人、信用のおける彼女の娘ドレルンザのみは残し、彼女にすべての財宝を護らせた。そしてすべてが済んだのち、イグウィルヴは“大洞窟”を去って姿を消した。歴史家はグラツズトの手勢が彼女をアビスに引きずり込み、絶えざる拷問にかけたと考えた(そしてその後、一部の学者は愛が再燃した展開を支持した);一方、彼女がかつての魔力を取り戻すため、オアースや様々な次元を旅した証拠もあった。大部分の者は、彼女はただ(すでに)死んだと見なした。彼女の手勢は徐々に“大洞窟”と“角”を去り、そして世界は他の悪にその注意を向けた。
最近の歴史/Recent History
イグウィルヴの権勢に関する知識は時間の霧と伝説の中に薄れていった。ツォーカンスの“大洞窟”の正確な位置は忘れられた。“イグウィルヴの角”は単なる地標となり、かつて存在した恐怖の象徴になった。この地域の領有権についての議論は続いた。山の北側のふもとにノームの集落が築かれた。ケトとペレンランドの人々はこれらの山脈で素晴らしい量の鉱石を発見し、彼らは“角”の西側斜面に採掘場を設けた。多くの人型生物、一部はイグウィルヴの手勢の子孫が、周囲の山や丘陵に住みついた。
アビスへのポータルは封印したにもかかわらず、漏出したエネルギーは残留したままだった。フィーンドのような存在が幾体か、“イグウィルヴの角”の周辺に住みついた。そして“汚穢”はところどころ大地に噴出してきた。良くないことに、ここ数年イグウィルヴの権勢を思い起こすかのように、モンスターの動きが活発化した。“イグウィルヴの角”の周辺環境は悪化し、ツォーカンスの“失われた大洞窟”の深部から何かが抜け出して来たようだった。


