ジサクジエンカコワルイ……?
ご存知ダンブラのラングドン教授シリーズの第1作。といっても映画版の時系列としては『ダヴィンチ・コード』の後に位置する2作目に当たる(前の映画では世話になった的な発言が数回出る)。
小説の映画化のご他聞にもれず、いろいろと設定は変更されている。セルンは大幅に削られ、そもそもラングドン教授はバチカン市警の依頼で登場する。
そして小説の映画化のご他聞にもれず、『既読である』ことが前提に作られている不親切映画でした。
こちらは小説を事前に読んでいたので、『あれはこうでそうで…』と自動的に補完できるのだが、映画だけ観た人は何がどうなっているのか理解できないんじゃないかな?
そもそものところ、カメルレンゴの動機が不明。てか真犯人が彼だったのかどうかもいまいちあいまい。原作では教会の未来を案じた彼が強行的な手段で教皇の地位を得ようとしたというのが骨子。
原作ではカメさんは母親を科学の結晶である爆弾に殺されて科学を憎むに至ったのだがそこはカット。
彼が殺したと思われる教皇(養父にして実の父親)との関係についてもカット
最後に大選皇枢機卿が「父親を殺すなんて…」と告げるところもカット。
実は法の上では教皇になっていたというところもカット。
なんだこりゃ?
これは原作自体の完成度が元々低く、「そりゃねぇだろ」的な展開が頻出するあくしょん小説だ(ラングドンがプロの殺し屋に勝ったりとか、突如霊感を授かったりとか、ヘリから布キレつかんで飛び降りて軽傷とか、イタリア半島ガンマ線照射事件とか)。
映画版ではけっこうダメ部分を削って「お、考えてるな」と思っていたら、よくよく考えれば事件の概要が微妙すぎ。
リヒターさんとの対決のあたりも、(偽)犯人をあんなに簡単に片付けていいのか? しかも片方は高位の司祭じゃないか。しかも謎解きはビデオの録画だと…。
これは駄作ではない。愚作だ。
製作総指揮 | トッド・ハロウェル、ダン・ブラウン |
---|---|
製作 | ブライアン・グレイザーロン・ハワードジョン・コーリー |
原作 | ダン・ブラウン |
脚本 | デヴィット・コープアキヴァ・ゴールズマン |
監督 | ロン・ハワード |
まあ、ダンブラ・ファンが小説の舞台見学ツアーをやる助けにはなるだろね。
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小説読んだ後ならまずまずの出来だと思えますよ?