ハンター・キラー潜航せよ

 艦長とは育ちが違いますので


 機関士あがりの叩き上げ艦長が、消息不明の友軍艦の行方を求めてロシアの海を行く。といったテーマの米軍潜水艦もの。
 暗くジメジメなイメージを払拭したロシア人もビックリな最新鋭潜水艦艦内、理の通るロシア大統領、海の男同士の友情、相変わらずな悪役、忠実な護衛、あり得たかも知れない女大統領。
 要素盛りだくさんだけどイヤな奴がいないという快作。
 観て損なし (^ω^)

バンブルビー

 セクター7誕生秘話


「良い星がある。地球だ」
との命令により地球に先乗りしたバンブルビーの冒険。
 1作目を覚えていないのでなんとも言えんが、つながるのか?

 基本的構成が若者(とロボット)の成長譚(パターンJ23b)を使っているので、甘く、ほろ苦く、爽快である (ΦωΦ)

ドラゴサの棲居/Dragotha's Lair アドヴェンチャラーズ・ギルド 199910-12


RPGAによる、AD&D2e用アドヴェンチャラーズ・ギルド・トーナメント・シナリオ

 ローレンス・シックによる『白羽山の迷宮』、ブルース・R・コーデルによる『白羽山の迷宮、再び』、そしてゲイリー・ガイギャックスとデイヴ・アーネスンによるD&Dゲームを基本とする。

 アドヴェンチャラーズ・ギルド・トーナメント『ドラゴサの棲居』では、最初にローレンス・シックが『白羽山の迷宮』として紹介し、その後ブルース・コーデルが『白羽山の迷宮、再び』として紹介した地域を再訪する。『ドラゴサの棲居』は6~8レベルのPC5~6名用に準備されている。これにはPHBとDMGが必要である。この冒険はドラコリッチとその棲居を紹介するだけではなく、事前作成キャラクターと2枚のマップが用意されている。『ドラゴサの棲居』をプレイするために『白羽山の迷宮、再び』は必要ではないが、これらの冒険はうまく連結することが出来る。
 

序文と概要/Introduction & Synopsis

 20年前に発見された地図の断片は、アンデッド・ドラゴン、ドラゴサの棲居を記したものだった。その断片には、最近復活したとされる古の悪しきウィザード、ケラプティスが支配する“白羽山”の位置も記されていた。その中でも、ケラプティスと“白羽山”は周囲の注目を集めていた。一方、ドラゴサの棲居は、それが何を意味するものか、謎のままであった。

 高名なアンデッド・ハンターである審問者タルダラスは、謎というものを憎んでいた。そのため彼はこれを調査するべく冒険者(PC)の一隊を召集した。タルダラスは正義と武勇の神ハイローニアス *1 の敬虔な使徒だ。アンデッド・ハンターを公言するタルダラスの目には最初のアンデッド・ドラゴンの名が映っていた。ドラゴサが本当に存在するとして、彼が何ゆえに数世紀間にわたり不活性状態であるのかといった瑣事はタルダラスには関係なかった。眠れる悪しきアンデッドは打ち倒されなくてはならないだけだ。

 タルダラスの持つ特殊な知識をもとにして、アンデッド・ハンターに率いられた一行はドラゴサの棲居を見いだし、その中に降りていく。棲居は巨大な墓所であり、より小型のアンデッドや凶悪な罠が満ちている。特に幸運かつ勇猛な一行であるなら、最深部まで到達してドラゴサ自身を見いだすだろう。伝説に語られるように、ドラゴサはまさしくアンデッド・ドラゴン、すなわちドラコリッチである。英雄たちにとって幸運なことに、ドラゴサは“心臓”を持たないため英雄たちを打ち倒すことができない。不幸なことに、覚醒したドラゴサを惰眠に引き戻すためには、最も気高い英雄の自己犠牲が必要である。もし英雄がこの究極の自己犠牲を好まないとしたら、タルダラスはこの運命を受け入れることができる。
 

準備/Preparation

 『ドラゴサの棲居』はAD&D2e用にデザインされた冒険『白羽山の迷宮、再び』のサプリメントである。この冒険を動かすために『白羽山の迷宮、再び』は必要ではないが、DMはPHBとDMG、MMを用意すべきである。

 DMはD&Dゲーム・ルールを理解し、ゲーム開始前に新規プレイヤーにゲーム・システムとキャラクター・シートの概要について説明すべきである。これは4時間のセッションでプレイ可能な中程度の冒険である(6-8レベルPC、5-6人用)。冒険に使用可能な、7体の7レベル事前作成キャラクターが用意されている。しかし条件を満たしていれば他のキャラクターでもかまわない。プレイを容易にするため、開始前に事前作成キャラクターを印刷するかコピーしろ。

 枠で仕切られた文章は、DMがプレイヤーに提供する情報である。読み上げるか適切に言い換えろ。必要であるなら末尾に示されたマップを印刷して周囲の配置を示せ。
 

そして冒険は始まる/And so it Begins

 事前作成キャラクターを配布しろ。以下の枠内の文章を、『ドラゴサの棲居』に参加するプレイヤーへの序文として読むか言い替えろ。
 

 君たちは大胆不敵かつ、数多くの冒険をこなしてきた、ベテラン冒険者である。最近君たちは、審問者タルダラス、高名を馳せているアンデッド・ハンターに出会った。北方に眠る、謎のアンデッド・ドラゴンに関する物語に興味を持った君たちは、真実を探求する彼の探索に参加した。タルダラスは、危険に対する支援の謝礼として、発見された宝物は頭割りすることに同意した。タルダラスが興味を持つものはただひとつだ:アンデッド・ドラゴンのドラゴサを発見し、打ち破ることである。

 PCに、短時間でお互い同士を簡単に自己紹介させろ。概要を説明した後、プレイヤーに遠征隊がすでに進行中であると知らせろ。数週間に渡る陸行で辺境を踏破した後、タルダラスに率いられた一行はドラゴサの棲居に接近した。タルダラスはPCに、彼が案内のために使用しているマップを見せた(プレイヤーに棲居周辺マップを示せ)。ゲームは棲居周辺マップの、『現在地/You Are Here』から始まる。

 もしまだ答えていないとしたら、この時点でタルダラスは快くPCの質問に答える。タルダラスは以下の情報を知っている:

ドラゴサ/Dragotha

「ドラゴサ伝説は、大変古いものだ。実際、あまりに古いため、誰ひとりとしてアンデッド・ドラゴンの棲居を忘れてしまうほどだった。しかしながら、私は今まで盗掘を受けたことのない塚の中から、マップとルーンストーン・キーを発掘した。名声を勝ち得たアンデッド・ハンターとして、私は即座に探索することを誓った:ドラゴサを見いだし、そして破壊する! と。」

ドラゴサの棲居/Dragotha's Lair

「私が塚で学んだことによると、ドラゴン教徒の一群が、自らドラゴサの配下に加わったらしい。傍目にも明らかにドラゴサが不活性化したことにより、教徒はドラゴサの周囲に壮大な墳墓を作ると、自身らも内部に立てこもったようだ。私は、なぜドラゴサが不活性化したかは知らない。しかし私は彼が存在する限り、彼が善に対する冒涜であることを知っている。」

白羽山/White Plume Mountain

「我々はその峰を大きく迂回するルートをとった。噂では、悪しきウィザード・ケラプティスが復活したらしい。しかしながら、それは現在、我々の探索には関係がない。」

棲居周辺マップに示された他の場所/Other Locations on the Overland Map

「私はミューコス城/Castle Mukosやシンギザードの小屋/Thingizzard's Hutのような場所に、我々が関心を示す必要があるとは思わない。実際、私は棲居を直撃することを好む。しかし私は、マップ上の他の場所に、陸路で赴くことも興味深いと考える余裕はある。私は本当のところ、2箇所の廃墟を除いて、それらにどれほどの価値があることなのかわからない。」

廃墟/Ruins

「カハーダリン/Caherdalenとロスサザン/Lossathanの廃墟は数百年前に滅んでしまった。かつて、それらは繁栄した都市であった。伝説によると、双方の共同体はドラゴサにより滅ぼされたという。」

大湿地/The Great Swamp

「この不快な沼地には、ありとあらゆる種類の恐るべきクリーチャーが住んでいるという。我々は腹を空かした沼地の怪物の食事にならないよう、足を生かすべきだろう。」

*1:旧神。現在はコード

移動都市モータル・エンジン

 スターウォーズ


 たぶん2−3部作構想だったのを無理やり1作に詰めたのではないかレベルの圧縮率。
 ただし要素の取捨選択が甘いので、尻切れトンボで不満感が残る。
 ギミックは意味不明ながらおもしろいのだがなぁ。
 後半のバトル部分は、ep4-6を一瞬で駆け抜ける剛毅さ。
 もっとB級風味にした方が受けたと思う。残念 (ΦωΦ)

弱音を吐くな/Never Say Die ダンジョン誌212号 201303


 

レベル4-6のキャラクター向けD&D冒険。

 “白羽山”の山影に、あまり知られていないちっぽけな地標として、その不気味なシルエットから不吉な名前を賜った"くたばりノールの目玉穴/Dead Gnoll’s Eye Socket"がある。これは“白羽山”の謎と財宝を探り当てようとした冒険者が、何年もかけて丘の地底洞窟に作り上げた避難所だ。その水飛沫がほとばしる洞穴は、仰向けに倒れたノールの眼窩を想起させた。最近になり、ノールの小部族がこの丘を占拠した。彼らの残虐な欲望とイーノグフへの献身から、彼らはヒューマノイドの獲物を捕えては狩るために放っていた。そして彼らの最新の被害者が君たちだ。

 『弱音を吐くな』はローレンス・シックが記したクラシックなAD&D冒険、『S2:白羽山の迷宮』で命名された場所で起こる。『弱音を吐くな』の舞台や敵は簡単にホーム・キャンペーン用に変換することができる。

 

背景/Background

 文明圏の極北、平原のど真ん中に離れ火山がある。その頂部からは羽のように白い蒸気が、熱い火山灰と共に噴き出している:これが伝説に謳われる“白羽山”だ。1000年前、変節のウィザード・ケラプティスが、“白羽山”の地下にダンジョンを掘り抜き、個人的な聖域とした。やがてウィザードは消え失せ、他のクリーチャーが彼のダンジョンを引き継いだ。火山の評判は徐々に拡まって行き、惹きつけられた多くの大胆な冒険者たちを悲運に導いた。

 最近になり、“白羽山”の南西に位置する奇妙な地形、"くたばりノールの目玉穴"の地下の小さな洞窟ネットワークを、ノールの小部族が占領した。複雑な洞穴を探検した結果、彼らは自然石の配列が気味悪いほど、彼らが崇めるデーモン・ロード、イーノグフに似ていることに気付いた。これこそはイーノグフの祝福の印であると見た部族はこの洞穴に定住し、“白羽山”の南部地域を縄張りに治めた。イーノグフに敬意を表し、ノールは知性を持つヒューマノイドを捕えると、近くにある“ねじくれた茨の藪”として知られる迷路に解き放ち、スポーツとしてそれらを狩った。ノールの涎を垂らす顎に多くの犠牲者が倒れた。勇者がこの血塗れのスポーツを止めないのなら、さらに多くの犠牲者が現れるだろう。
 

概要/Synopsis

 ノールはキャラクターを捕らえた。君がキャラクターに圧倒的なノールたちとの間に戦闘を行わせるか、単に説明するだけかは君が決定して良い(「ねじくれた茨の藪の中に」のテキストを読め)。

 キャラクターは鎧と衣類を除き、彼女らの装備品をすべて取り外される。その後ノールは“ねじくれた茨の藪”と呼ばれる広大ないばらの迷路に彼女らを連れて行き、そこで解き放つ。その後、重武装のノールが獲物を追い詰めて狩る。キャラクターは狩人の裏をかき、狩りを生き残らなくてはならない。

 ノールの狩人を処理した後、キャラクターは奪われた装備を奪還し、ノール部族に反撃するため、"くたばりノールの目玉穴"の下の洞穴に踏み込む。

続きを読む

グリーン・ブック

 素敵な手紙をありがとう

 62年なモキュメンタリ。

 まだまだまだまだ黒人差別が一般的な南部を、天才的ピアノ奏者が演奏ツアーで回る。お供はイタリア人の用心棒ひとり。

 構成はいわゆるロードムービーの域を出ないが、でも泣ける。

 今の時代、ひとりで生きていく覚悟を決めた人は観よう (ΦωΦ)

七つの会議

 これが俺たちのノルマだ


 宣伝で推察できる内容。それだけにちょいとひねったオチへの流れは心地よい。
 内部で戦う無名の戦士たちに捧げる。これは勝ちではない。でも負けでもない。
 続けるってのはこういうことさ ( °ω °)

キャプテン・マーベル

 フューリーはどこ。


 アヴェンジャーズ計画の起源、キャロルの物語。
 芯の強い女性がひょんなことからひょんな人生に巻き込まれ、ひょんな50%を生き抜き的な。

 男はたいてい強いやつに惹かれるものだが、それが強い女性であったら最高だろうというお話。

ヾ(⌒(_^ω^)_ □

 今回観たのは吹き替えだったが、“おてんば隊長”はキャプテン・トムボイ/Captain Tomboyだろかなぁ ( ゚ω゚)

サイコパス3 恩讐の彼方に

 悪霊とは過去のようなものだ。


 狡噛編。
 第三シリーズ向けの総括・調整編。
 画面描写に無理がありまくりだが、まあこんなもんでしょ (ΦωΦ)

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スパイダーマン:スパイダーバース

 1人じゃない


 放射能クモに咬まれ以下略

 様々な時代、様々な世界のスパイダーマンが集結。
 軽いツッコミと共に小気味良い戦いが演じられる。
 悪くない (^ω^)

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白羽山の迷宮、再び/Return to White Plume Mountain AD&D2nd 1999 その2

ケラプティス症候群/Keraptis-Imprints

 K症候群は2種類存在する:重度K症候群/complete K-imprintはこの計画を断念した時点のケラプティスの個性を具現化させる。軽度K症候群/partial K-imprintsは能力の一部分だけが具現化される。これらの種類にはまた2つの形態が存在する:潜在性/quiescentと顕在性/activeだ。

 潜在性K症候群は文書の形で存在する。PCにとっては、一般的な呪文を記した巻物か呪文書のように見える。これらの呪文に対してリード・マジック呪文を発動することで、『K症候群効果表』のいずれに属するかが明らかになる。例えば、“Kの火”が印されているなら、知的なクリーチャーにとって1レベル呪文として機能し、さらにファイアー・ボールの効果を使用することができる。〈呪文学〉判定に成功するだけでは、K症候群は他の1レベル呪文より強力であることしかわからない。単なる調査だけでは、これらの呪文の欠点は判明しない(『K症候群の副作用』参照)。

 顕在性K症候群は、知的なクリーチャーが巻物か呪文書からK症候群呪文を記憶した際に発現する。このような場合、K症候群は『K症候群効果表』に記された、再記憶する必要のない毎日数回使える疑似呪文能力を宿主に与える。
 

K症候群効果表/Effects of K-Imprints Table

K症候群種別利用可能な使用者呪文レベル効果
重度K症候群/K: complete imprint重度誰でも112レベルのウィザードと同じように呪文を選択でき、すべての軽度K症候群の利益を得る。
贋ケラプティス化を参照。
“Kの扉/K:door”軽度術者1ディメンジョン・ドア(10レベル術者として1日2回発動)
“Kの火/K:fire”軽度誰でも1ファイアーボール(5レベル術者として1日1回発動)
“Kの矢/K:missile”軽度術者1マジック・ミサイル(9レベル術者として1日3回発動)
“Kの抵抗/K:resistance”軽度術者140%の魔法抵抗(1時間、1日2回使用)
“Kの壁/K:wall”軽度術者1ウォール・オヴ・フォース(10レベル術者として1日1回発動)

 

利用可能な使用者/Allowed Users

 ほとんどのK症候群は、(ウィザードやプリーストのような)1レベル呪文のスロットを占有するため、呪文発動能力を持つキャラクターだけを宿主とすることができる。術者のスロットに余地がない場合、K症候群は自らの居場所を確保するため、記憶済みの1レベル呪文1つをランダムに失わせる。

 若干のK症候群はどのような知的クリーチャーでも使用可能だ。このタイプは可能であるなら、1レベル呪文のスロットを占有しようとする;それが不可能である場合、宿主の精神の一角に占めるために【知力】を1ポイント失わせる。(宿主の【知力】は呪文を除去することで回復する;『K症候群の除去』参照。)
 

K症候群の記憶方法/Memorizing a K-Imprint

 K症候群呪文を発動するか、書き写すか、記憶した個人は、+4ボーナスを得て対呪文セーヴィング・スローを行わなくてはならない。成功したなら何の効果も及ぼさない;呪文は巻物の上に残ったままで、使用者は何の利益も得ない。失敗したなら、呪文の効果とは無関係に、使用者は呪文を記憶する。つまり、キャラクターは巻物からK症候群呪文を発動することができない;彼または彼女は、セーヴィング・スローに失敗することで呪文を記憶するか、成功することで何の効果も及ぼさない結果となる。使用者がこれらの呪文を記憶する際、セーヴィング・スローを行わずに受け入れるのは可能であり、望むのであれば、ひとりのキャラクターが同じ呪文を複数回記憶することも可能だ。

 ひとたび記憶されたなら、K症候群呪文はページから消え去って利用者の精神に移動し、除去されるまでそこに留まる。宿主は即座に呪文に関する数値の変化(一日の使用回数、正確な効果、除去方法)に気づくが、現実的な副作用には気づけない。

 巻物を作成することができるキャラクターは、自分が記憶しているK症候群呪文を新たな巻物として作成することができる。そうしても呪文は宿主の精神から除去されない;それは新たな潜在性呪文を作るだけだ。
 

K症候群の副作用/Side Effects of K-Imprints

 個々の症状は違えど、すべてのK症候群は同じ落し穴を持つ:彼らに含まれるケラプティスの個性は、最終的に宿主の心を破壊してしまうほど激しく活動する。

重度K症候群
 ある重度K症候群宿主の個性は、行方不明のウィザードのそれに徐々に置き換えられていき、やがて新たなる贋ケラプティスが生み出される。それぞれの贋ケラプティスは、潜在的に無数の精神の頂点に立とうとする階層意識を持っている。その結果、贋ケラプティスは自身の力を際限なく強大化しようとするため、潜在性K症候群を蓄積していく(『既存の贋ケラプティス』参照)。もちろん、この傾向には良くない面がある - 新たなる贋ケラプティスはDM制御下のNPCとなり、かつ、もしオリジナル・ケラプティスが物質界に帰還したなら、彼あるいは彼女は即座に不可逆的に死ぬ(セーヴィング・スローなし)。

軽度K症候群
 軽度K症候群の宿主はその力の源泉である階層的精神に包括されてしまう。K症候群の宿主は1d4+2か月間は通常の生活を送れるが、やがて精神の欠如した肉体へと変化していく - その後は4人の贋ケラプティスの“外部脳細胞”と化す - 一般的には、渦中のK症候群巻物を手にしたままパーティに留まる。(どの贋ケラプティスに包括され支配されたことを明確にするなら1d4をロールしろ。)包括後は、宿主はすべてのキャラクター・レベル、【知力】値、【判断力】値、個性を失い、0レベルで4ヒット・ポイントを持つクリーチャーと化す。その後は食事をし、涎を垂らし、何かを凝視するだけになる。彼女は指導者だけと話し、その進む方向に進む。

 この運命は徐々に明らかになる。軽度K症候群を記憶する人は、3日後に奇妙な副作用を経験する。その時点で、影響下のキャラクターは1d6をロールして『K症候群の副作用表』を適用する。これはゲーム時間の24時間毎に繰り返す。副作用は何度でも起こるが、もしDMが望むなら追加効果を考えても良い。これら奇妙な問題は、最終的に被害者が階層的精神の中に取り込まれていくことに気づくだろう(告白した夢を介し、他者のみが)。
 

K症候群副作用表/K-Imprint Side Effects Table

1d6K症候群副作用
1罹患者は自身が純粋に悪しき行為を犯す夢に悩まされる。
2罹患者は注意されるまで「我はケラプティス」と繰り返しつぶやくようになる。
3罹患者は代わる代わる様々な強力な意識に観察されているように感じるが、正体を突き止める前にそれは薄れる。
4罹患者は注意されるまで「貴様が休んでいる間に、我は貴様らを殺すだろう」と繰り返しつぶやくようになる。
5罹患者はジャイアント・クラブを連想させるいたずら書きを、近くの壁や羊皮紙、適当な滑面に描きつける。これは誰かが絵の内容について思いつくまで続く。
6罹患者は仲間に対して以下のような「謎解き」を吹っ掛けるようになり、答えないなら彼女らを攻撃する。謎解きに応えないために開始された戦闘から3ラウンドが経過した後、罹患者は戦闘を打ち切り、いま何があったかをすっかり忘れ去る。

 彼女は丸いが、板のように平たく見える
 狼の王たちが崇めるもの
 黒き天鷲の上にあっては宝珠、海の下にあっては真珠
 いつまでも変わることなく、いつまでも変わり続けるもの
解答
 月
 

K症候群の除去/Removing a K-Imprint

 宿主は顕在性K症候群を、他の利用可能使用者に対して発動することで、自身の精神から除去することができる。この転移は意図的でなくてはならない;通常に呪文を発動しただけでは除去することはできない(“Kの火”呪文によるファイアーボールの発動など)。転移の目標がそれを逃れたい場合は、+4ボーナスを得た対呪文セーヴィング・スローに成功しなくてはならない。成功された場合、それは術者の精神に留まる;失敗した場合、K症候群は目標に転移され、通常の記憶に伴う利益と不利益を受ける。しかしながら、この転移を行なっても、元々の宿主は副作用を受け続ける(上記『K症候群の副作用』参照)。
 

包括の遅延/Halting Subsumption

 宿主の精神からの呪文を除去したとしても、包括化を止めたり遅延させることはない。なぜならケラプティスの個性の烙印は永久に残るからだ。罹患者は次元界を離れることで過程を遅延させることができるが、この次元界に帰還することで“白羽山”との空間的距離に関わらずそれは再開する。

 包括化の過程を止める唯一確実な方法は、本物のケラプティスをこの次元界に呼び戻すことだ。軽度K症候群によって具現化された彼の不完全な精神は、オリジナルと同じ空間に存在することはできない。そのためそれらは宿主に危害を与えることなく消滅する。しかしながら、この解決策をパーティーは知らない - キャラクターは山の住民から情報を得なくてはならない(第25区画のニックス、第74区画Cのマイコニド、第79区画の復讐のシェイド)。すべての贋ケラプティスとその手勢を抹殺することで包括化は防げるが、感染したPCが新たな階層的精神の基盤となる可能性が高い(『贋ケラプティス化』参照)。
 

贋ケラプティス化/Becoming a False Keraptis

 重度K症候群を記憶した宿主、または軽度K症候群で1レベル呪文のスロットか【知力】値すべてを埋めた宿主は、ウィザードの個性が内面に生まれ、即座に新たなる贋ケラプティスと化す。そして罹患した宿主が残存している場合、その者に取って代わって精神的階層を上げるため、既存の贋ケラプティスを抹殺しようとする(『既存の贋ケラプティス』参照)。

 どのPCが贋ケラプティス化したとしても、即座ににDM制御下のNPCと化す。新たな僭称者はすぐに権力基盤を築き、自身の力の武器を求め、他の贋ケラプティスを抹殺すべく動き出す。
 

新たな贋ケラプティスの作成/Developing a New False Keraptis

 DMが追加で贋ケラプティスを作成する(またはかつてのPCをNPC贋ケラプティスとする)ことを望むなら、以下の案内に従ってキャラクターの能力を確定しろ。

 新たな贋ケラプティスは呪文効果について12レベル・ウィザードとして作成され、そこに彼女が通常に使用するパワーや能力を加える。発症の時点で、DMは毎日使用する呪文(1レベル4つ、2レベル4つ、3レベル4つ、4レベル4つ、5レベル4つ、6レベル1つ)を新たな僭称者のために用意しなくてはならない。利用可能な選択肢にはキャラクター自身の呪文書や(可能な範囲の)プリースト・リストに以下のリストが加わる。これらはオリジナルのウィザードの呪文書に因るものだ:

  1. チャーム・パーソン、マジック・ミサイル、スリープ、ウィザード・マーク、K:コンプリート・インプリント *1
  2. アシッド・アロー、コンティニュアル・ライト、ダークネス(半径15フィート)、ESP、ノック、マジック・マウス、ミラー・イメージ、ウィザード・ロック
  3. ディスペル・マジック、ファイアーボール、フライ、ライトニング・ボルト、モンスター・サモニング1、スロー、タング
  4. チャーム・モンスター、ディメンジョン・ドア、エンチャンテッド・ウェポン、エヴァーズ・ブラック・テンタクルズ、アイス・ストーム、インプルーヴド・インヴィジビリティ、モンスター・サモニング2、ポリモーフ・アザー、ポリモーフ・セルフ、ストーンスキン、ウィンド・ウォール、ウィザード・アイ
  5. アドヴァンスト・イリュージョン、クラウドキル、コーン・オヴ・コールド、カンジャー・エレメンタル、ディスミサル、モンスター・サモニング3、トゥルー・シーイング、ウォール・オヴ・フォース、ウォール・オヴ・ストーン
  6. コンティンジェンシィ、デス・フォッグ、デス・スペル、グローブ・オヴ・インヴァルナラビリティ、モンスター・サモニング4、テンサーズ・トランスフォーメーション

(7レベル以上の呪文は、贋ケラプティスがその呪文を発動するにふさわしいレベルに達した時点で入手可能になる。)DMが呪文選別を決定するとそれは宿主の精神内で永続化され、すべての呪文に軽度K症候群があるかのように扱われる。新たな贋ケラプティスがのリストに呪文を加えるためには、包括的精神が経験点レベルを上げなくてはできない;その時点で新たな選択肢が示される。(この選択は既存の階層的精神に新たな座を占めなくては存在しない;そうでないものは既存の呪文を得るだけだ。)

 他の贋ケラプティスのように、新たな僭称者も呪文を介して他者の肉体を操れる。互いの目で見て、互いの口で話し、互いのアクションを行なう。
 

既存の贋ケラプティス/The Existing False Kerapti

 現在、“白羽山”に存在する4体の贋ケラプティスはケラプティスを自称し、自身に忠誠を誓う軍隊を従えている。しかしながら、それぞれの“僭称者/pretender”とその手勢は他の贋ケラプティスを“簒奪者/usurpers”と呼んでいる。名前を呼ぶ必要がある場合は、抵抗勢力の指導者ニックスが名付けた、“夜闇恐れ”、“泥跳ね波止場”、“興醒め屋”、“ぶつぶつ苔”を使う。4体の贋ケラプティスはウェイヴ、ホウェルム、ブラックレイザー、フロストレイザーを私物であると信じ込んでいる。もしPCがそれらのひとつを他の贋ケラプティスの前に示すなら、僭称者は即座にそれを差し出すように要求する。そのような場合だけ同盟交渉は可能であり、それに応えないのであれば交渉は決裂して攻撃が起こる。
 
能力/Abilities
 それぞれの贋ケラプティスは12レベル・ウィザードとしての完全な呪文発動能力を持ち、加えてケラプティスの完全な個性と重度K症候群がもたらす記憶を持っている。しかしながら、K症候群はオリジナルの精神の完全な複製ではないため、それぞれの僭称者の記憶の大部分はかすみ、また欠落している。

*1:重度K症候群にはすべての軽度K症候群が含まれ、宿主が通常に使用する呪文や作成する巻物にもこれらが含まれる。

白羽山の迷宮、再び/Return to White Plume Mountain AD&D2nd 1999 その1

裏表紙

不滅性への飽くなき追求が、桁外れの脅威を引き起こす!

 いにしえの時代、ケラプティスという名前のソーサラーが永遠の生命を求めた。活火山のマグマ・ドームと水蒸気道の中で彼は秘術的実験を追求した。最終的に彼は伝説の中に消え去った。そして世界は一千年以上もの間ケラプティスについて耳にすることはなかった。

 しかしながら、20年前ケラプティスが“白羽”に現われた。その山に君臨する狂える君主はその力を遺憾なく発揮した。しかし最終的に勇気と正義に屈した。ケラプティスは遂に死んだ…、世界はそう結論した。

 あれから20年の時が流れた。現在、火山の噴煙にひとつの顔が浮かび上がった - あれはケラプティスの顔であると人々は口にした。猛悪なるウィザードは結局のところ不滅性を得たのだろうか? または“白羽山”の地中にはより危険な脅威が存在するのだろうか?

 ローレンス・シックによる最初の『S2:白羽山の迷宮』は1979年に発表されたAD&Dゲーム最初期シナリオの1つだった。もし君がその火山の冒険に楽しい思い出を持っているなら、君はこの冒険を以前のものより危険で魅力的なものと感じるだろう。もし君が初めて“白羽山”に挑むのならこれは決して忘れられない経験となるだろう。

 これは7-10レベルのキャラクター4-10人向けに作られている。
 

概要/Introduction

「彼は火口の下にもつれるように複雑な火山性坑道を発見した。彼とノームたちは間欠泉の影に消えた。その後、人々は悪しきウィザードの話を耳にしなくなった。」

ケラプティスの伝説、『S2:白羽山の迷宮』より
 
 ローレンス・シックによる『S2:白羽山の迷宮』は、D&Dの拡大期に発表された。この冒険は最初期に記されたシナリオのひとつであり、大勢のD&Dファンがこれを購入してプレイした。その結果『白羽山の迷宮』は長い間、その時代におけるDMとプレイヤーたちの間の“共通体験”として語り継がれることになった。君が火山にまつわる楽しい思い出を持つのか、それとも初めて『白羽山の迷宮』と立ち向かうかはわからないが、この続編はこの後も語り継がれる無数の新キャンペーンの礎石となるだろう。
 

この冒険の使い方/Using This Adventure

 このAD&D冒険は、7から10レベルのPC4人から10人向けに設計されている。一行のキャラクター・レベル合計は45以下にすべきだが、低レベル・キャラクターの集団で山に挑むと生還すら覚束ないだろう。そのような場合、DMはPCに対し、複合体に居住する様々な集団との同盟を奨励すべきだ。

 『白羽山の迷宮、再び』は、内部に居住空間を擁する離れ火山で展開される。君はこの製品を単独冒険として扱っても良いし、君のプレイヤーがかつて『S2:白羽山の迷宮』に挑んだ古強者であるなら、このシナリオを20年後に起きる続編と位置付けても良い。君がこの物語をどのように提供するにしても、最初の出版物を所有したり読み込んでおく必要はない;君が『白羽山の迷宮、再び』を動かすために必要な情報はすべてここにある。

 地名や人物名は絶対ではない - 君のキャンペーン世界に適合させるため、“白羽山”に関する情報は何でも変更して構わない。君は火山という設定すらも、休火山または高台、なんなら草原、沼沢地、森林に変更しても良い。もし君のゲームがオアースのグレイホーク・キャンペーン世界で行なわれるなら、“白羽山”はシールド・ランズ/Shield Landsの北東、山賊王国/Bandit Landsとリフト峡谷/Great Liftの付近に位置する。

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訳注:★“白羽山”、①自由都市グレイホーク、②アイウーズの領国、③シールド・ランズ、④山賊王国、⑤リフト峡谷。なお、本書の地名とグレイホークの地名には若干の誤差がある。コーデルだから。


 陰付枠の文章はプレイヤー向けの情報だ。DMはそれを声に出して読むか適切に言い換えろ。枠のみの文章はDM向けの重要な情報で、そこにはモンスターや魔法のアイテムに関する記述が含まれる。本書の末尾には、名前付きNPCを除く、冒険に登場するすべてのモンスターのデータが掲載されている。必要に応じてこれら4ページをコピーして使用しろ;モンスターのデータは個々の遭遇に記載していない。
 

“白羽山”の歴史/History of White Plume Mountain

 “白羽山”の歴史は古代のウィザード・ケラプティスと分かちがたく絡みあっているが、学者たちでさえすべてを知っているわけではない。この基礎的な情報はDMのために提供されている;PCが勤勉な研究の末に発見できる情報は別に項を設けている(『歴史調査』参照)。
 

古代史/Ancient History

 およそ2000年前、ウィザードのケラプティスはトゥスティンカ/Tostenhca - 幅広い道とそびえ立つジグラットを有する山裾の都市 - の“防護官/protector”に任じられた。ウィザードは寿命を延長し、多くの定命者よりも長く生きていたが、彼はあくまでも不滅性を求め続けていた。そのためか、彼は歳を経るにつれ堕落していった。4世紀に渡る期間、彼の防護/protectionに費やす代償は徐々に厄介になっていった。最終的に、ケラプティスはトゥスティンカの人々が育み、作り、売る、財のすべてを管理するに至った。新たな税 - 新生児の3人に1人を捧げる - が発表された時点で人々は立ち上がり、ケラプティスと狂えるノームの護衛団を追放した。

 拠点を失ったウィザードと彼の追従者は、南部や西部の諸都市に逃れた。だがケラプティスがどこに向かっても、彼の評判は彼より先に辿り着いていた。そして彼は誰も彼の“防護”を求めていないことを知った。この旅は3世紀に渡り、その間にウィザードは並外れた力を秘めた装具をいくつか入手した。彼に護衛団を与えたノームの秘密会議は、さらにホウェルム/Whelmと呼ばれる槌を与えた。諸神格により投獄された神話的サイクロプス/mythical Cyclopesの獄を破壊した返礼として、ケラプティスはウェイブ/Waveと呼ばれるトライデントを贈られた。遥か未来、滅びを目前にした多次元界の最後の生ける存在と交信した結果、彼はブラックレイザー/Blackrazorと呼ばれる剣を受け取った。しかし、真なる不滅性は彼の手にはなかった。

 トゥスティンカを去って300年後、ケラプティスは“白羽山”と呼ばれる大火山で、上古の生き残りであるドルイドが、不滅性の秘密を守護していると知った。火山の中で、ウィザードは溶岩トンネルで作られたもつれた迷宮と、上古の秘密を守護する古代のドルイドを発見した。2人は“白羽山”の所有権と古代の神秘を賭けて大戦闘を行なった。最終的にウィザードが勝った。ドルイドの残骸をマグマの海に放り込んだ後、勝ち誇ったケラプティスはドルイド正殿の溶けた岩で封じられた秘密の小部屋に入り込んだ。そこで彼は古代魔法の財宝と、氷の刃の原型とも云えるフロストレイザー/Frostrazor、そして得体が知れない小像を発見した。ケラプティスは小像の力を解放し、はるか彼方のトゥスティンカに対して凶悪な呪いを解き放ち、永き復讐の仕上げとした。

 その後、ケラプティスは彼の膨大な能力のすべてを死を克服することに傾注した。彼は永続化魔法や治癒といった外部要因に頼らない、1ダースもの個別の、永遠の生命に収束していく研究を開始した。そのような計画のひとつが実を結んだ。最終的にケラプティスは取得した4つの魔法の装具で増強することで、物質界からはるか隔たった陰鬱な領域にまで踏み込むことに成功した。そこで彼は永遠に定命の束縛を脱するだろう。

 ケラプティスが火山を去ってから約500年が過ぎた。彼が究極の目的を達成したか、それとも薄暗い次元界でそれを追求し続けているか、誰も知らない。彼の運命の如何に関わらず、ケラプティスは“白羽山”に帰還しなかった。
 

近代史/Recent History

 主のないまま、ケラプティスに忠誠を誓ったノームの部隊は活火山に留まり、ウィザードが洞窟内に魔法で成長させた菌類の庭園に住み続けた。外部との関りのないまま世代は交代し、陽光を受けない環境で彼らは生まれ、そして死んでいった。

 100年ほど前、ついに“白羽”の下の穏やかな日々が打ち砕かれた。財宝の物語に引き寄せられ、“大冊の兄弟団/Brotherhood of the Tome”を自称する少数の強力な英雄たちが封印された火山の空洞に入り込み、ウィザードの力の4つの装具:ウェーブ、ブラックレイザー、ホウェルム、フロストレイザーを盗み出した。これらの武器が盗みだされたことで、ケラプティスは陰鬱な領域に閉じ込められ、彼は物質界への帰還が不可能となった。

 “白羽”の住民は、部外者に山中の複合構造について知られた今、さらなる攻撃が起こることを危惧した。防護を求め、ノームはケラプティスが研究を行っていた封印洞窟を開いた。そこで彼らが多くの驚異を発見したが、白眉であったのは“白羽山”の運命を永久に変えた“ケラプティス症候群/Keraptis-imprints”だった。

 不滅性についての研究の一環として、ケラプティスは自身を呪文の基礎構造のように純粋な知性として保存しようとした。この方法を使うことで、彼は理論的に他者の精神の内側に永久に住み着くことができた。最終的に彼はこのアイデアを放棄したが、彼の研究成果の残滓 - 呪文巻物に似た形態 - は残されていた。これらの魔術(ケラプティス症候群またはK症候群と呼ばれる)は、いずれも破損しているか不完全であったが、ウィザードの意識と知識が一部またはすべて含まれていた。

 これらの巻物は解放された部屋のひとつで発見され、熱心なノームが即座にそれを記憶した。それと共に不完全ながらウィザードの意識の複写が彼の精神にインストールされた。彼は自身をケラプティスと信じ込むと即座に行動を開始し、古代のウィザードが所有していた力の武器を集め直した。オリジナルの『S2:白羽山の迷宮』は、最初の贋ケラプティスが行動した結果だった。
 

現在の状況/Current Situation

 最初の贋ケラプティスの死から20年以上が過ぎ、山の地下は大きく変化していた。彼の轍を他の者が踏み、それぞれが帰らざる君主の意識を得た。

 現在、4つの個体 - 夜闇恐れ/ナイトフィアー/Nightfear、泥跳ね波止場/スパアタードック/Spatterdock 、興醒め屋/キルジョイ/Killjoy、ぶつぶつ苔/モスマター/Mossmutter - が自身をケラプティスと信じこんでいる。これらの個体は全員が贋ケラプティスであり、銘々が元々のウィザードの人格と能力を刷り込まれ、4つの力の装具のうちひとつを保有していた(最近“夜闇恐れ”はそれを失った)。これら贋ケラプティスは忠実な追従者の軍勢を従え、山の支配権と魔法の武器4つすべての所有権を賭けて競い合っている。
 

冒険の要約/Adventure Summary

 “白羽山”に到着したPCは、入口に直接向かっても構わないし、まず火山周辺を探索しても構わない。彼女らは、山の内部でケラプティスを自称する4つの勢力が争い合っていることを知る。ちょっとした交渉術を駆使することで、他の3勢力と戦うため、いずれかの贋ケラプティスの軍勢と手を組むこともできる。最終的に、4つのケラプティスはすべて贋者であり、本物はここにいないことが判明する。

 PCが贋ケラプティスの軍勢に合流するか否かに関わらず、彼女らはプレイの過程で様々な部分的K症候群呪文を発見していく。これらの呪文を記憶していくことで、その者は自我を失って行き、段階的に贋ケラプティスと化していくことに気付く。PCは抗争とは無関係な山の住民と接触することで、このケラプティス感染症を山中に封じ込め、世界(と自身)を救い出すかを見つけることができる。より簡単な方法は、彼女らがウィザードの魔法の武器4つをすべて集め、ドルイドの正殿(第79区画)に侵入し、この次元界にオリジナリティナル・ケラプティスを呼び戻すことだ。もうひとつの方法は、パーティメンバー含むすべての顕在K症候群感染者を、追い詰め、捕え、皆殺すことだ。もし彼女らが前者を選択するなら、復活するオリジナル・ケラプティスは新生児として出現するため、彼を抹殺しようとするクリーチャーたちから守り抜かなくてはならなくなるだろう。

“大分割”と版上げ前後のシナリオ

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 “大分割”と版上げ前後のシナリオの舞台をまとめたもの(マップは4版時代)。
 
 

『ドラコリッチの宝物庫』

 5版(ネクスト版)シナリオ。
 2013年6月に行われたD&Dゲームデイで使用されたもの。複数パーティによる同時襲撃を描いている。
 全世界のD&Dプレイヤーが同じシナリオを攻略するイベントだが、日本では複数卓実施は厳しかったと推測する (ΦωΦ)
 コーマンソー森林を棲処とするドラコリッチの宝物庫が舞台。
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『ドラゴンスピア城の亡霊』

 5版(ネクスト版)シナリオ。
 2013年8月15日-18日に行われたGenCon2013で初公開された販売シナリオ
 レッド・ウィザードによる元素邪霊復活を阻止しようとする冒険者の物語。いわゆる過去版であった「複数鍵の争奪戦」型シナリオ。
 ウォーターディープ南隣のダガーフォードが拠点となる。
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 ちなみに、有名なウォーターディープは地図上、「ダガー」の「-」の南側に位置している。ネヴァーウィンターは「ダ」の北側である。
 
 

『キャンドルキープ襲撃』

 5版(ネクスト版)シナリオ。
 2013年8月15日-18日に行われたGenCon2013のイベント用シナリオ。よって極めてプレイ人口の少ないシナリオとして忘れられている。
 “アスモデウス神に選ばれし者”による拠点襲撃防衛シナリオ。システム的に複数パーティが必要なのも難あり(単パーティで挑んでもよいけど)。
 バルダーズゲート南隣のキャンドルキープで展開される。
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“大分割”四部作第一弾『殺戮のバルダーズゲート』

 4版・5版共用シナリオ。
 2013年8月20日開始のエンカウンターズ第15節の販売シナリオ。
 “殺戮の神”ベハル *1 復活に絡む物語。

ダンジョンズ&ドラゴンズ 殺戮のバルダーズゲート

ダンジョンズ&ドラゴンズ 殺戮のバルダーズゲート

 
 

“大分割”四部作第二弾『クリスタル・シャードの影』

 4版・5版共用シナリオ。
 2013年11月19日開始のエンカウンターズ第16節の販売シナリオ。
 舞台は先ごろ電子書籍にて再販されたアイスウィンド・サーガの舞台でもあるテンタウンズ。そしてその地を襲う“オーリル神に選ばれし者”に絡む物語。

 
 

“大分割”四部作第三弾『レッド・ウィザードの野望:ソード・コーストの受難』

 5版(ネクスト版)シナリオ。
 2014年2月18日開始のエンカウンターズ第17節のPDF販売シナリオ。
 舞台は上記『ドラゴンスピア城の亡霊』でも登場したダガーフォード。その地を襲うレッド・ウィザードの飽くなき暴威に立ち向かう冒険者の物語。
 実のところ『ドラゴンスピア城の亡霊』の直接的続編であるのだが、キャラクター・レベルの関係で同キャラでの継続ができないもんにょり仕様。
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“大分割”四部作第四弾『レッド・ウィザードの野望:サーイに死す』

 5版(ネクスト版)シナリオ。
 2014年5月20日開始のエンカウンターズ第18節の販売シナリオ。
 前作『ソード・コーストの受難』の直接的続編で、『ドラゴンスピア城の亡霊』から考えると、ダガーフォード三部作の完結編とも云える。
 このシナリオ自体は若干の修正を経て『大口亭綺譚』に掲載されている。

ダンジョンズ&ドラゴンズ 大口亭綺譚 第5版

ダンジョンズ&ドラゴンズ 大口亭綺譚 第5版

*1:1版から2版にかけての事件である“災厄の時代”で滅ぶ

キャンドルキープ襲撃/Confrontation at Candlekeep D&D Next 20130815


背景/Background

 はるか昔、アスモデウスは手ずから強力な心術呪文を作り上げた。それはどんなクリーチャーでも術者の令下に置き、かすかな魔法的痕跡すら残さず術者の意志に従わせるほど効き目があった。呪文はあまりに効き目があったため、記憶しておくのも危険なほどだった。そのためアスモデウスは、その卑劣な呪文を1巻きの“巻物”として記録することにした。

 ミストラは呪文の存在を知り、それを無きものとすることを望んだ。しかしながら、“巻物”の破壊はそのエネルギーがアスモデウスに還元されるだけであることを危惧した彼女は、自らの“選ばれし者”のひとりを送り込み、それを奪い隠匿させた。

 爾来巻物はキャンドルキープ - フェイルーンの口伝と予言を収集した巨大な図書館 - の大冊と羊皮紙の間に埋もれていた。現在、レルムは大変動と復旧の時代に直面している(『大分割とは?』参照)。アスモデウスは彼の“巻物”の所在を知ると“選ばれし者”ヴァルローンを指名し、広大かつ強力な防御を打ち砕いて“巻物”を見つけ出し、九層地獄の力を返還させるべくキャンドルキープに急行させた。
 

 この竜、この後にスカウトされたんだねぇ…
 いや、当時から“選ばれし者”だったのかもな (ΦωΦ)
 

冒険の要約/Adventure Summary

 冒険者がキャンドルキープを訪問している時、ヴァルローンという名前のアスモデウスの“選ばれし者”が拠点に対して攻撃を開始した。秘密裏に潜入したアスモデウス教徒が要塞の防御陣の多くを機能停止させたため、襲撃に対処することは困難だった。

 冒険者はキャンドルキープの防御を支援する任務を与えられる - 防御陣の回復、敵の抹殺、情報の収集。最後の遭遇において、冒険者たちは“大障壁/グレート・シールド” - 侵入者を放逐し、襲撃を塞き止める不壊の障壁 - の再起動を支援する。
 

キャンドルキープの世間話/Small Talk in Candlekeep

 冒険の過程で、キャラクターがキャンドルキープに住む1人以上のNPC会話をする機会かある。君が何気ない話題を即興で作ろうと考えているなら、以下のキャンドルキープと周辺に関連した情報を利用しろ。

  1. キャンドルキープはいにしえより、遥かいにしえより存在しているので、誰がいつそれを築いたかについては様々な人々が意見を異にしている。キャンドルキープは常に現在の場所にあった。そして石造りの要塞は、常にオグマ神崇拝の中心地だった。
  2. キャンドルキープの修道僧は主にオグマ神やデニーア神を崇拝する学者司祭だ。しかし多くの賢者と“知識の探究者”が、長期間修道要塞に滞在する。
  3. (君がオグマ神の高位司祭か極めて特別な理由を持たない限り)キャンドルキープに入るには、入館料金として収蔵書籍となる貴重書を提供しなくてはならない。
  4. キャンドルキープが主に静かな研究の場であるが、その広間にはアローンドに捧げる終わりなき讃歌が響き続いている。詠唱者に導かれた下級・上級修道僧が、いまだ「実現していない」アローンドの予言を歌いながら僧坊を繋ぐ長い回廊を進む。この行進は決して止まらず、各々の修道僧は途中で交代していく。
  5. キャンドルキープはしばしばその蔵書から書籍/ページを写本し、収入を得るために売買する。呪文や重要な魔法作業、信仰の秘儀に関する写本は滅多に作成されず、極めて高価だ。他にも有用な作品は、フェイルーン各地の貴族や富裕層、図書館が購入を求めてくる。

 

イベントの展開/Running the Event

準備/Setup(10分)

行動の開始/Starting the Action(10分)

エリア1. 亡霊竜の広間/Area 1. Ghost Dragon Hall(45分)

エリア2. 自然の驚異の図書館/Area 2. Library of Natural Wonders(45分)

エリア3. ろうそく砦の断崖/Area 3. Bluffs of Candlekeep(45分)

エリア4. 学びの塔/Area 4. Leaning Tower(45分)

エリア5. 干上がった泉/Area 5. Dry Fountain(45分)

エリア6. オグマ神の祠/Area 6. Shrine of Oghma(45分)

エリア7. 題名不明の図書館/Area 7. Library of Lost Titles(45分)

エリア8. ろうそく砦の防壁/Area 8. Walls of Candlekeep(45分)

最後の衝突/Final Confrontation(45分)

 

結末/Conclusion

 2時間のプレイ・スロットが終了した時点で、ポッド(相互に連動した4-9個のパーティ集団)単位で少なくとも半分の修道僧が生き残っていれば、“大障壁”が再起動する。

ポッドが成功したなら、“第一読師”は以下を読むか読み替えろ:

 キャンドルキープ中の塔から、白い光束が空に向かって伸びあがる。やがてそれはゆっくりと集まると、君たちすべてを内に含む巨大な球形を作りだした。ソード海の打ち寄せる波のように、あなたの足元の大地を力場の鼓動が打ち鳴らす。キャンドルキープの危険に気づいたクリーチャーは、光の壁から後ずさった。下がらなかった者は焼かれた。静寂が要塞を包みこむ。数秒の後、疲れてはいるが歓喜喝采が湧きおこった。キャンドルキープは安全だ - 今のところは。

ポッドが失敗したなら、“第一読師”は以下を読むか読み替えろ:

 キャンドルキープ中の塔から白い光束が伸びあがるが、そのエネルギーはあまりにも早く拡散して消える。“大障壁”を再起動する君たちの試みは失敗した。大音声が轟く。「撤退だ!」 君は外壁と正門から修道僧が我先にあふれ出てくる様子を目にした。背後を血に飢えたデヴィルとケタケタ笑う狂信者が追いかけている。君はキャンドルキープの別の個所を担当した冒険者が、“大障壁”の再起動に成功しないものかと期待しながら、撤退戦を開始した。

 

終幕/Wrapping Up

 プレイヤーが立ち去る前に、彼女らに次の機会と結果について知らせろ。

イベントに再挑戦する/Replaying the Event

 このイベントは最高8つの異なるシナリオから成る。もし彼女らが他のシナリオの利用を望むなら、プレイヤーはこの週末中イベントに参加することができる。
※訳注:このシナリオは2013年のゲン・コン/Gen Conで使用されたもので、開催期間である週末を通して幾度でも挑戦することができた。

イベントを動かす/Running the Event

 もしプレイヤーがこのイベントを回すことに興味を持ったなら、D&D本部ブースのスタッフに話をしろ。このDMは簡単で、おまけにこのD&Dシナリオセットが君に与えられる。スタッフは君のD&Dネクスト人生の始まりを手助けしてくれるだろう。

小説『使者』との関連/Connection to The Herald

 『キャンドルキープ襲撃』のイベントは、“大分割”とエド・グリーンウッドの2014年の小説『使者』と関連する。ゲン・コン2013におけるこの冒険の結果は、小説開始時にエルミンスターがキャンドルキープで経験する出来事に反映される。

意見/Feedback

 プレイヤーはD&Dネクストと『キャンドルキープ襲撃』についての意見を、ウィザーズのプレイテスト担当まで送ることができる。
 

“大分割”とは?/What Is the Sundering?

 “大変動の時代”の終わりは近い!
 
 フォーゴトン・レルム世界は、“災厄の時代”から“呪文荒廃”を介し、1世紀にも渡る数々の破局を耐え抜いた。幾度も幾度も、大変動は万神殿を打ち壊し、国家と支配者を打ち砕き、大地の形すら変えた。現在、世界は揺らぎ、いま一度再構成されている - 最終段階として。
 
 諸神格は新たなる万神殿に座を占める契約を勝ち得るため、混沌に投げ込まれ、這い上がった者だけが権能をつかみ、権威を強固にすることができた。世界中にいる彼女らの定命の代行者 - “選ばれし者” - は、彼女らの意志を遂行する責任を課された。
 
 劇的に世界を再構成させた魔法の破局、“呪文荒廃”は終わった。魔法のウィーヴは編み直され、多くの歪んだ魔法効果は徐々に消え始めている。“呪文荒廃”によって引き起こされた世界の混在は終焉を迎え、アイビアはアイビアに分かれ、フォーゴトン・レルムは以前と同じ姿を取り戻した。
 
 “大変動の時代”の終わりに生じた不穏な政治的状況から、諸神格の“選ばれし者”の活動も激しさを増し、フェイルーン諸国と派閥はそれぞれの計略、策略、侵略に巻き込まれていった。特にネザリル帝国は、デイルランズ、コアミア、ミス・ドラナーを征服しようと試み、東ハートランドを呑み込む戦争を引き起こしている。ハーパーとゼンタリムは世界に拡大する脅威に対処するため組織を集中再編し、徐々にだが以前の規模を取り戻しつつある。国家、地理、魔法、そして諸神格さえ永劫ではなく変転している。産みの苦しみは新たな創造の先触れなのだ。世界には英雄が必要だ。新たな時代を導く希望の曙光であり、襲い来る闇に中で瞬き続ける善の輝きであるからだ。