出来損ないたちの讃歌2:秩序教授の実験 Experiment of Professor Axiom
秩序教授は混沌博士 *1 と並び称せられる《大いなる転輪》に君臨する怪人であり、その正体は杳として知られていない。
一般的に、秩序教授は大学で教鞭をとる白衣をまとったノームの姿で顕現する場合が多い。彼(女)はエフィジーを脇に従えるウィザードとして知られ、なにかの機械装置を操作することを好むとされている。
しかしその強固なる秩序属性と、ある種狂気ともいえる画一的性格(理に反したことは一切行えない)から、彼(女)の正体は《機械仕掛けの涅槃境メカヌス》のイネヴァタブルの長老ともまたその変異体とも噂されている。一説には、秩序教授はかつて《九層地獄》を支配していたルシファーやアスタロトの顕現であるともされ、その強力なる魔力は機知の常識では捉われない脅威として知られている。
事実、彼の下僕には人造を主力とした軍勢が従い、またデヴィルなどの秩序属性のクリーチャーが多く見られる。そして《転輪》を離れた次元界に生息するというウォーフォージドの一群をも従えているともいう。カニス家に“生ける人造”の秘密を伝授したのは彼(女)だと言うのは公然の秘密である。
しかしながら、彼(女)は粘体やアンデッドなどの中立クリーチャーをも使いこなすことでも知られている。これは混沌博士がコリャルートの一群や秩序属性のクロマティック・ドラゴンを操っていたのと同様、途方もない魔力の産物なのだろう。
いずれにせよ、秩序教授はその驚異的思考形態と存在ゆえ、《大いなる転輪》における怪人の一柱として恐怖の的となっているのである。
*1:id:netagon の被造物