エピック・キャラクターはパラディンの持つ+7ホーリィ・ヴォーパル・スピード・グレートソード から、ウィザードの高速化メテオ・スウォーム まで多くの武器を自由自在に使うことが出来る。これらの武器は最強の敵を破壊し、フィーンドの大軍を打ち払い、ドラゴンすら仕留める事が出来る。しかしそれでもなお、はるか昔に作られた、諸神格ですら使うのをためらうほど強力かつ邪悪な殲滅兵器とは比較にならない。このような兵器が胎動しつつある今、誰がその破滅的覚醒を妨げることが出来るのだろうか?
『水銀の砂時計』は30レベル・キャラクター向けのD&D冒険である。『冒険の調整』記事で記されるように、レベルの調整は可能だ。
冒険の背景 Adventure Background
はるかいにしえの昔、女神ヴァワゾーンが神格戦争を挑んだ。しかし、彼女は自身が劣勢にあると悟ると、敵諸共に一切合財すべてを滅ぼすことに決めた。それに用いられる恐るべき運命の装置は〈水銀の砂時計〉と呼ばれ、神格の生命力を燃料とする怪物兵器だった。ヴァワゾーンは副官エリヴァティアスに、彼自身の生命力を〈水銀の砂時計〉の燃料として提供することを命じた。時至るなら、彼女は〈水銀の砂時計〉を物質界に顕現させ、エリヴァティアスは特別あつらえの〈鍵〉を用いて自身の生命力を解放する予定だった。もし計画が始動するなら、物質界の全生命は全滅するだろう。ヴァワゾーンは定命者の世界を、一夜にして骨と塵に帰する事を望んでいた。
しかし、このように強力な兵器の建造を完璧に隠蔽することは不可能だった。ヴァワゾーンが〈水銀の砂時計〉の建造を進めるにつれ、秩序と均衡を象徴する勢力であるところのメカヌスの支配者がそれに注目した。彼らは彼女の計画に対して基本的に反対ではなかった ‐ 神格の精髄1つは、1つの次元界に住まうすべての定命者の生命と引き換えにしても折り合う対価であったからだ。しかしながら、彼らが懸念していたのは、ヴァワゾーンの計画ではエリヴァティアスが滅びない可能性が残されている点にあった。彼らはヴァワゾーンに警告した。彼女は〈第一の鍵〉が停止したなら直ちに作動を開始する〈第二の鍵〉を作らなくてはならないと。もしエリヴァティアスが犠牲となるなら、この〈第二の鍵〉は無意味なものとなるだろう。しかし、もし彼が生き延びたなら、〈第二の鍵〉は彼を〈水銀の砂時計〉に拘束し、メカヌスの支配者の審判を待つとするものだった。もし彼女がこの〈第二の鍵〉を作ることを拒否したなら、彼らは〈水銀の砂時計〉の存在を善属性の神格に伝えると警告した。ヴァワゾーンはこれら計り知れない存在が結集した力に抵抗することは不可能であることを悟り、彼らの警告を受け入れた。彼女は〈鍵〉を守るに最も安全な場所は〈砂時計〉自身の内部であると判断した。
ヴァワゾーンによる物質界の全生命消滅計画は、エリヴァティアスの狂信的信者が計画の核に守護神の犠牲があると気付かなければ成功していたかもしれない。エリヴァティアス信仰の核に恐るべき内紛が起きた。そして彼らの神格を犠牲にするという愚行に憤った人々は、一か八か、ヴァワゾーンの敵陣に〈水銀の砂時計〉の秘密を漏らした。善の神格は、直接攻撃を受けたヴァワゾーンが自らの手で〈水銀の砂時計〉を起動することを恐れた ‐ 彼らは兵器が起動する危険を冒すことが出来なかった。彼らの手に残った選択肢は1つだけだった。そしてその選択肢には、彼らのうち誰かが犠牲となる必要があった。
ヴァワゾーンの敵は〈砂時計〉に対する直接攻撃より、フェインサーと呼ばれる善属性の神格の立てた計画に託した。彼らは計画の問題点を詳細に煮詰め、最終的にフェインサーは自身の神格力を犠牲にして、〈砂時計〉を時無き虚空の擬似次元界に封印することに同意した。〈砂時計〉はヴァワゾーンから奪い去られ、悪しき女神は彼女自身の領域を守るべく力を糾合した。戦いが起こり、その衝撃は現実性の基礎をも揺るがせた。そして戦いの土煙が晴れた後には…、いにしえの諸神格は誰一柱として生き残っていなかった。
そして…
かくして冒険者は、古代の神格が置き残し、いま胎動を始めた究極の殲滅兵器を止め(破壊し)なくてはならないというのがシナリオの主題。
さすがエピック、さすが30レベルというこの冒険は、“D&Dってこんなことまでしていいんだ!”という事実を再確認させてくれる *1。
時期的に来年のDACには参加できそうもないのだが(10月は休みがなさそう)、宣言したのでとりあえずは翻訳開始(飽きるまで (^ω^)
*1:昔のゲームのシナリオはこんなの普通だったがなw