スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ

 世代間格差


 評判はよろしくないという噂を聞いたが、日本のアクション映画としてみれば結構な出来だと思う。
 松浦亜弥石川梨華のファンならDVDまで買いの出来ではないだろうか(いや、石川の立ち位置としては微妙か…


 基本的な視点は『大人は子供を理解できない』。
 そのため高校生の暴力女である麻宮サキ(仮名、ホントに)を雇うわけだが、これは作品全体を通して貫かれている。当然脚本や監督の視点もである。
 よって、作中に登場する登場人物(おおかたは未成年、もしくは精神未成年)は恐ろしいまでに戯画化され誇張された子供大人である。
 また大人にとっては理解の及ばないネット社会も当然誇張された描写をされている。
 首謀者の目的も単なる金かと思わせておいて、実は金は敵を誘き寄せるための餌でしかないなど予想を裏切る展開。はっきり言って動機が弱いが、目的の見えない行動も理解できない人々を描いた結果なのではないかと思われる。


 これじゃ確かにネット上の評判は悪いわな。自分の醜い部分をむき出しにして見せ付けられて喜ぶ人間はそうはいない。
 この映画の描写を笑い流せない人々はまんま登場人物(脇役)と同じ本質を持っているのではなかろうか。


 ファン映画としてみれば、初代麻宮サキ=サキ(仮名)の母(斉藤由貴)や暗闇指令(長門裕之)を登場させるなど「もし麻宮サキが死ななかったらどうなったか」というテーマのifモノとして秀作だろう。
 肝心のアクションは? アイドル歌手としてはレベルが高いと思われ。たいていは腰の定まらない殺陣が基本だし(上戸彩の『あずみ』とか


 ただ、アイドル立ちするスケバンはいねぇなw あいつらたいてい猫背だしw