雄馬と剣 『銀の手のコルム』より

 なぜ自分はこのように残酷で獣的な者たちに奉仕しているのだろう。コルムはラリーナのことを思いだすことで強引に自分を納得させた。

 そして一瞬、なぜ自分はあのようなマブデンのためにこんなに長い間、そしてこんなに必死に、働き続けてきたのだろうか、と首をかしげた。そして二回とも主としてその理由がマブデン女性の愛によるものであったことに気づき、運命の皮肉を感じた。確かに自分はラリーナとメディブ女王を愛し、二人も自分を愛してくれた。だがあの二人の女性の間には、コルム自身には理解できぬ相違があった。