インベージョン

 秩序にして中立の侵略


 ジャック・フィニーの「盗まれた街」の再々々々映画化(かな?)。同系列に「アンドロメダ…」とか「遊星からの物体X」がある。つまり微小異星生物侵略モノということ。
 冒頭のシャトルはたぶん汚染された結果だと思うのだが、宇宙空間で汚染が起こるかどうかは疑問。それにアレだけの耐熱特性を示してかつ衛星軌道に留まるシャトルが汚染されるということは、もともと彼らはそこまで来ていたわけだ。かってに重力井戸に落ちてくるんじゃないの、これ?
 まあそこは忘れてもなんというかすっきりしない展開が続く作品。
 主人公がアクション・ヒーローではなく女性精神病医であるため派手なアクションはない。ないのはまだ良いが、適切(?)な処理をせず「それはそうじゃねぇだろ」と言いたくなるところが頻出する。「普通の人ってのはそういうものだ」と何度か脳内で説明を加えながら話を追うのだが、それがややストレスとなる微妙な作でしたよ。リアルといえばリアルなのかもね。


 オチは一般的なものを採択したようで。ニコール・キッドマン使ってカルトなオチにしてもしょうもないが、「地球最後の男」みたいなのでもいいかもとか思った次第。
 思えばこのオチ、元ダンが出た映画と同じ方向性じゃねぇか?


 と考えると、普通の人がなぜか大活躍のそちらに対抗して、普通の人があくまでも普通に対処する映画を作ったと穿った見方をしてしまう私なのであった。


盗まれた街 (ハヤカワ文庫SF フ 2-2)

盗まれた街 (ハヤカワ文庫SF フ 2-2)