ワルキューレ


  確かこいつはアイリッシュ *1


  ナチスの総統ヒトラーの暗殺計画は40を数えた。本作は最後の暗殺計画を描いた作品。


  反ナチス的言動ゆえにアフリカ戦線に飛ばされ、負傷し本国に後送されたシュタウフェンベルク大佐。
  予備軍に編入された彼は軍部の反ナチス派にヒトラー暗殺計画に噛まないかと誘われる…。


  史実なのでまずまず良く描かれている。
  有能で理想化された軍人が多いが、ありえないようなポカ *2 で作戦は失敗、歴史は覆されることなく進む。
  はっきり言えば、日本人が同じことをやったらヒトラーは死んだだろう。良くも悪くも特攻精神で自爆したか、最悪ヒトラー救助と称して瓦礫に飛び込み、そこでトドメを刺すことは出来たのだから(無論殺されるが)。
  シュタウフェンベルクは文官に対して「覚悟がたらないから暗殺に失敗し続けた」と弾劾するが、これが史実まんまならお互い様だな。覚悟がたらん。少なくとも副官を戻らせて暗殺の確認をさせるべきだった。もしくは第2の爆発(自爆)をするべき。
  もっともそこは日本ではなくドイツであり、その頃の日本人は同じくらい狂気に陥っていた。
  ヒトラー殺せば終わるナチスと違って責任の所在が存在しなかった分、日本の軍部の方がより厄介だったわけだがな。天皇殺しても東條殺しても戦争は続いたろうし。




  なお、wiki読む限りドイツはトム・クルーズにいい顔してないけどな。
  ナチスには並ばないけど、カルティストに反ナチスの主役やらせるのは何たる皮肉かw




  作中で謳われることは「ドイツはヒトラーのものではなく、ヒトラー以外にもドイツ人はいた」というもの。
  ドイツによる戦後の終了宣言ということか。


  日本の戦後はいまだ終わっていない…。

製作総指揮 トム・クルーズ、ポーラ・ワグナー、クリス・リー
製作 ブライアン・シンガー、ギルバート・アドラークリストファー・マッカリー
原作   
脚本 クリストファー・マッカリー、ネイサン・アレクサンダー
監督 ブライアン・シンガー
企画   
提供   


ワルキューレ ヒトラー暗殺の二日間

ワルキューレ ヒトラー暗殺の二日間

*1:エゥーゴの戦艦ではない

*2:暗殺結果の無確認