シャーロック・ホームズ Sherlock Holmes

  バリツ乱舞、発動!


  いわゆる新感覚ホームズ。
  原作(正確に言うと、原作からの派生物)ファンには不評だろうが、シャーロキアンではない俺にとってはかなり納得のいく快作。
  なんかホームズの鹿撃帽にインヴァネス・コートという典型的スタイルも、原作典拠じゃなくイラストレイターの創作らしいしさ (^ω^)


  今作のホームズは“キチガイ天才”型の、典型的な天才像で描かれている。
  BBCでおなじみの従来型は、天才というより秀才だからなぁ。興味本位で阿片窟にたまるタイプにも見えないし。
  しかし大丈夫。ロバート・ダウニー・Jrの演じるホームズは、ばっちり阿片窟に漬かるタイプだw
  余人には理解の及ばない人物を堂々と演じている。


  作中で、様々な会話や音を想起するシーンが描かれるが、彼はいわゆる超記憶の持ち主なんだろう。
  体験した状況を精密に覚えることが出来る記憶力が、彼の推理力の裏付けと推理される (^ω^)



  2回放たれる“バリツ乱舞”もそれに基づくものと思われる。
  あれは武術的に言えばハメ技で、ある技を繰り出した反射行動に対してさらに技を繰り出し、最終的に回避不能の技を叩き込むという一連の技だ。
  日本では、江戸初期や末期の武芸者がそれぞれに編み出したとされているが、たいていは伝授する前に敗北するので現在まで伝わっているものはほとんどない。
  ファンタジー小説で読んだ限りでは、エディングスの『エレニア記:サファイアの薔薇』で、悪漢マーテルが元同胞であるパンデオン騎士を抹殺する技として編み出した剣技がそれに該当する。


  友人の考えでは、バリツ baritsu とはバーリ・トゥード vale tudo を、翻訳者がバーリ・トゥードをバリツ道 → バリツ と誤訳したと考えたが、はてさて。

製作総指揮 ブルース・バーマン、マイケル・タドロス
製作 ジョエル・シルバー、スーザン・ダウニー、ダン・リン
原案 マイケル・ロバート・ジョンソン
脚本 マイケル・ロバート・ジョンソン、アンソニー・ペッカム、サイモン・キンバーグ
監督 ガイ・リッチー