聯合艦隊司令長官 山本五十六
この作品の言いたいことには、戦争犯罪は軍人だけに押し付けてはならないことが含まれているように思う。
いかなる形であろうとも、戦争犯罪は天皇や軍人といった特殊カテゴリーでくくった者だけのものではなく、日本国民全員が負うべきものなのだな。
今ではどうだこうだ言ってるマスコミも、戦争景気で儲けた庶民も、痛い目を見るまでは戦争礼賛者だったのだから。
公開初期に劇場から出てくる観客を見て『爺さんばっかりだなぁ』と思ったが、観た後だと彼らの表情の重さの意味がよくわかる。
60〜70の戦中・戦後世代にとっては、この作品は両親の吐き戻した反吐を、もう一回咀嚼するような作品だからだ。
聯合艦隊のドンパチを期待していたとしたら、なおのことだな。