モウグ・グラフト/Maug Graft/モウグ流移植組織

 モウグの術者はアケロン次元界における勢力を拡張するためモウグに特殊な移植組織を与える。すべてのモウグ移植組織は人造移植組織であり、通常アケロン次元界第二層であるトゥルダニンの石から作り出される。モウグだけがそれらを作成する秘密を理解しており、モウグの術者はこういった移植組織で部下の性能を向上させる。


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ロッキング・ハンド/Locking Hand/固定用手首

 この石の手首は握り締めると指が固定されるように設計されている。それはクリーチャーの通常の手首と交換される。これで素手攻撃を行うと通常のダメージを与える。攻撃者が特に選択するなら、-4ペナルティを加えることで非致傷ダメージを与えることができる。ロッキング・ハンドがクリーチャーに与えるダメージは、素手打撃や肉体攻撃では変化しない。
 固定用手首の主な目的はクリーチャーの握力を強化し、武器落としされたり手にしたアイテムを奪われたりしないよう難易度を上げることにある。移植されたクリーチャーは武器落としを免れるためのロール、つかんだ相手の〈脱出術〉対抗判定、落下を免れるためのロール、〈登攀〉中に滑面をつかむため等の任意のロールに+5ボーナスを得る。クリーチャーは複数の固定用手首を得ることで、利用可能な手首の数だけボーナスを累積させられる。
 固定用手首の固定/解除はクリーチャーが容易に切り替えることができる;またそれらは呪文発動や技能の使用を妨げない。固定用手首から得られるボーナスはロックト・ガントレットと累積する。
 前提条件:《肉体組織移植》、ブルズ・ストレンクス、作成者はモウグでなければならない;市価:2,000gp

ローラーズ/Rollers/回転筒

 回転筒は階段状に組まれた6本の大きな石の円筒から成り、クリーチャーの脚や足と交換される。回転筒は移植されたクリーチャーの地上移動速度を20フィート上げ、さらに蹴散らし攻撃能力を与える。しかし移植されたクリーチャーは〈登攀〉〈騎乗〉〈水泳〉技能判定に-8ペナルティを受ける。移植されたクリーチャーは疾走することができない。
 移植されたクリーチャーは毎ラウンド自身のターンに標準アクションを用いて移動速度まで移動し、自身より小さなサイズの対抗者を蹴散らすことができる。この攻撃はそのクリーチャーの大きさに基づいて[殴打]ダメージを与える(サイズ別グラフト・ダメージ表G参照)。蹴散らされた対抗者は-4ペナルティを受けて機会攻撃を行うか、反応セーヴ(難易度10 + 移植されたクリーチャーのHDの半分 + 移植されたクリーチャーの【筋】ボーナス)を行ってダメージを半減することができる。
 前提条件:《肉体組織移植》、エクスペディシャス・リトリート、ポリモーフ・アザー、作成者はモウグでなければならない;市価:10,000gp

シャヴィング・アーム/Shoving Arm/突き押し腕

 突き押し腕は石でできたピストン様のまっ直ぐな付属器官で、まっ平らな手首が付いている。それはクリーチャーの胴体に石の“ベルト”で固定されている。その腕はたいていの活動の役に立たないが、ラウンド毎に1回攻撃アクションとして、移植されたクリーチャーの5フィート以内に位置する1体の対抗者に対して突き押し攻撃をすることができる。移植されたクリーチャーは機会攻撃を誘発しない近接接触攻撃を行う。突き押し腕がヒットしたなら、命中した対抗者は移植されたクリーチャーが突き飛ばし攻撃をしたかのように【筋】対抗判定を行う。通常ボーナスに加え、移植されたクリーチャーはこのロールに特別な+5ボーナスを得る。もし移植されたクリーチャーが勝ったなら、防衛側は(5+移植されたクリーチャーの判定結果-防衛側の判定結果)フィートだけ押しやられる。移植されたクリーチャーはつき押された防衛者と一緒に移動しない。
 突き押し腕は所持されていない物品を押すこともでき、その【筋力】は(移植されたクリーチャーの【筋】+10)である。突き押し腕は直線状にクリーチャーや物品を押しやることができる。
 前提条件:《肉体組織移植》、ブルズ・ストレンクス、作成者はモウグでなければならない;市価:2,000gp

シャダー・プレート/Shudder Plate/振動板

 振動版は通常クリーチャーの胸郭に配置される。それは石製の枠に頁岩の薄板をはめ込んでいるように見える。振動版は静かに揺れ振動することで、移植されたクリーチャーに周囲の状況を超自然的に認識させるように設計されている。もし移植されたクリーチャーが地面に接しているなら、15フィート以内の地形と配置を感知できる。加えて、移植されたクリーチャーは〈忍び足〉技能判定に-4ペナルティを受ける。
 前提条件:《肉体組織移植》、シー・インヴィジビリティ、作成者はモウグでなければならない;市価:8,000gp

スパイク・ストーンズ/Spike Stones/棘石

 これらの小型の丸石はクリーチャーの肉体全体の表面に挿入される。移植されたクリーチャーは標準アクションを用いて機会攻撃を誘発せずにそれらを急成長させることができる。石は鋭利な棘として伸び、肉や鎧を穿つ。組みつきにおいて、移植されたクリーチャーが組みつき判定に成功すると、棘は通常の組みつきダメージに加えて2d4ポイントの[刺突]ダメージを与える。移植されたクリーチャーはまた、その棘を1d4[刺突]ダメージを与える“軽い武器”として使用することもできる;素手打撃や肉体武器と組み合わせるなら、これら石の棘はそれらが命中した際に1d4ポイントの[刺突]ダメージを追加して与える。
 前提条件:《肉体組織移植》、スパイク・ストーンズ、作成者はモウグでなければならない;市価:4,000gp

ストーン・スピッター/Stone Spitter/石吹器

 石吹器は箱型か大型容器の装置であり、通常はクリーチャーの肩に取り付けられる。これは驚くべき正確さと致命的な威力で石を筒から発射する兵器だ。石吹器を移植されたクリーチャーは遠隔攻撃として石やスリング・ブレットを発射することができる。この攻撃の射程単位は50フィートであり、そのダメージは移植されたクリーチャーのサイズに依存する(サイズ別グラフト・ダメージ表、石:A、ブレット:C)。1日6回、石吹器は超自然的な高速とパワーで弾体を発射することができる。この攻撃のダメージは通常よりも大きなダイスを用い(サイズ別グラフト・ダメージ表:H)、さらに攻撃とダメージに+1強化ボーナスを与える。石吹器は最大50発までの石かスリング・ブレットを装填できる。
 前提条件:《肉体組織移植》、マジック・ストーン、作成者はモウグでなければならない;市価:2,000gp