開戦:戦艦バーミューダ

“マゼランの艦内は広い。”
 艦長室からブリッジまでの通路を「レバー」に引かれながらヒロセ大佐は思った。
“こんな巨艦が200人足らずの兵員で動いているんだからなぁ…”
 ヒロセ大佐がマゼラン艦バーミューダの艦長に赴任したのは去年の秋のことだ。それまで巡洋艦の艦長を長く勤めていたヒロセ大佐であったが、このほどようやくにして戦艦の艦長を任されるに至ったわけだ。配置は地球連邦軍ルナツー基地所属、連邦第3艦隊第12独立艦隊。このバーミューダに加えサラミス級3隻を引き連れる