エンジェル ウォーズ Sucker Punch(予想外の殴打の意)
馬場論、現出!
資産家の母と結婚した継父が、財産すべてを奪うため母を殺した。
しかし、母は既に2人の娘にだけ遺産を残すという遺言書をしたためていた。
そこで狂気に走った継父は娘を殺そうとする。それを逃れようとした姉は辛くも逃れるも、妹は殺され、自らが妹殺しの犯人され、精神病院に閉じ込められることになる。
姉(主人公)の送られた精神病院は劇場型治療を施していた。つまり患者に役を与え、それを演じさせることで社会に適応できる人格を育てようとしていたのである。
ここで主人公は「ダンサー」としての役を与えられ、“踊り”という形で頭角を表していく。
しかし継父は証拠隠滅を図るため、金で主人公にロボトミー手術を施そうとしていた。
ロボトミー施術を行なう医師が医院を訪れるまであと数日。主人公の運命やいかに・・・。
的なお話。
この辺から作品の視点は、現実ではなく役の視点に移る。つまり主人公は新人ダンサー。
ダンサー仲間(現実には精神病院の患者)もおり、ダンス・コーチ(精神科医師)もいればダンス・ホールを仕切る店長(悪徳介護士)もいる。
ダンス・ホール(精神病院)からの脱出を希望する主人公の視点はさらに内面世界へと向かい、そこで彼女は解放に至るには
- 精神病院の警備見取図
- 騒動を起こすために必要な火(ライター)
- いざとなったときに使うナイフ(包丁)
- 精神病院のマスター・キー
- 自己犠牲(当初は明らかにされない)
が必要との結論に至る。
そこで彼女は、脱出計画に賛同する仲間を集め、治療の一環としてのダンスを踊ることで注目を集め、その間に上記のアイテムを盗み取ることを計画する。
で、このダンスとアイテム盗みを抽象的に表現したものが、戦闘シーンだ。
いや、すげぇな。この海のリハクの目を持ってしても見抜けなかったわ。
戦闘シーンで任務を達成すれば、アイテムの盗みも成功。任務失敗すれば盗みも失敗。
この解釈って、昔よんだ馬場理論ぽくね?
ほら、あの〈交渉〉を、敵の交渉防御力と交渉hpに対し、PCの交渉攻撃力で攻略するとかいうところが。
最終的に、良いところまで行ったんだけど、最終条件:自己犠牲(自分が囮になって仲間を逃す)により、主人公は囮となってダンサー仲間を逃がすという選択をすることになる。
かくて、主人公はロボトミー手術をされてエンド。
描写的に、悪徳介護士が金を受け取って書類偽造し、ロボトミー許可を出したことがばれているので、継父も破滅したと思えるんだけど、そこは描かれない。
つまり主人公はよくわからない理由で脱出を断念し、(ホントに精神病患者かも知れない)患者を逃したことになる。
これじゃ、いい評価はもらえないよなぁ、ザック。
まあ、映画を作った理由が
金髪セーラー服の女の子がカタナ持って戦う映画を作りたかった
らしいので、深く考えてはいかんのだろう、うん。
アクションは悪くない。キル・ビルですら女優の腰が引けていた事実を考えると、かなりがんばっている。
製作総指揮 | ウェスリー・カラー、クリストファー・デファリア、ジョン・ジャシュニ、トーマス・タル |
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製作 | ザック・スナイダー、デボラ・スナイダー |
原案 | ザック・スナイダー |
脚本 | ザック・スナイダー、スティーヴ・シブヤ |
監督 | ザック・スナイダー |