結末 Conclusion


もしPCが究極化を止められないなら、アサーラックは神格の如きパワーを得る。任意の世界の任意の拠点に座す、いずれのヴァンパイアやリッチ、どんな強力なアンデッドであっても、アサーラックの手を逃れる者はほとんどいない。当初、彼は一度に1体のアンデッド・クリーチャーに宿れるだけだが、時間が経つにつれて複数のアンデッドを同時に制御することができるだろう。おそらく、新たな存在は純粋悪の多次元帝国を介して、すべての世界を支配しようとするだろう。もしくは、彼は多次元世界の成長と変化を観察し、何百もの世界から知識を吸い上げるだけで満足するかもしれない。こういった予想は簡単に書き記すことができない。失敗の結果として、PCが生き残るためにはアサーラックの“要塞”から早々に逃げ出すしかないとだけ伝えれば十分だろう。“要塞”はそこに残る。そしてアサーラックは間違いなく、それを利用し続けるだろう。このような場合、物語経験点を与えるのは相応しくない。
もしPCがデミリッチ頭蓋骨を破壊しても経箱を破壊しないなら、アサーラックの脅威は終わらない。しかしながら、アサーラックは愚かではない;PCが彼の予想を上回って強敵であることを認め、彼はエッセンスを第31区画に送って逃走する。PCが彼を追尾しないなら、アサーラックは“要塞”を出るときにリング・オヴ・ネガティヴ・エレメンタル・マスタリーを手にする(デミリッチであった時にリングを使用する必要は感じなかったが、愛着はあるため)。彼は最初の“墓所”が建設された世界から遠く離れた物質界まで逃げる。そこで彼は振り出しに戻り、忌まわしい計画を再開する。PCは彼を一時的退避させることで追加25000経験点を得る;しかしながら、彼女らはアサーラックの暗躍は続き、いつの日にか帰還するという予感を持っている。
もしPCが物理的に経箱を破壊するなら、次の枠付きテキストを読むか、あるいは言い替えろ:

 あなたが最後の一撃を加えると、ガラスの砕ける音と共に、クリスタルの表面に劇的なひび割れが走った。切子面を埋めていた亡霊たちが金切り声を上げるが、その声も周囲から沸き起こったかのように思える、より甲高い叫び声にかき消された。それはアサーラックの悲鳴で、今わの際の絶叫だった。「やめろおおぉぉぉ!!!!!!」宝石の崩壊は続き、君の目の前でクリスタルの破片が雨のように黒い縁に降り注ぐ。切子面が虚空に消えるとともに、そのうちに捕らわれていた光も消え失せ、最後の破片が消えるころには、アサーラックの断末魔の絶叫も消えて静寂が戻った。


アサーラックが破壊されたなら彼の計画はすべて無に帰す。彼の制御下にあったアンデッドとタナーリは強迫観念から脱する。制御の知性がいないかぎり“終末の要塞”は徐々に(1年ほどで)負のエネルギー界と融合する。“陽を待つ都市”はアサーラックの魔法がないと維持できず、廃墟となって最終的に崩壊する。最初の“墓所”の管理と罠を維持してきたタナーリは任務を解除され、建築全体から徐々に致死性が失われていく。“髑髏都市”の住民は直近の“墓所”からの影響が消滅したことに気付く。もはや彼らの魔法は強化されず、闇の技に関しても夢の中で闇の示唆が得られなくなる。やがて求心力を失った都市は見捨てられる。
不幸なことに、経箱の破壊により集積された魂はすべて負のエネルギー界に送られ、それらは抹消される。この場合、パラディンとプリースト、善属性の神格と強い関係を持つPCには審問や破門の可能性がある;PCが善の立場に復帰しようとするならクエストを果たす必要があるかもしれない。どうであれ、このように失われた魂は、その精神の強弱に応じたアンデッド・クリーチャーとなり、PC自身の主物質界に対して侵入するかもしれない。将来的に、DMはランダムなスペクターやゴーストを、PCが無防備な瞬間に不意の訪問をさせても良いだろう。そういったアンデッドはPCの拠点を探し出し、誓約に対する不正を訴え、PCの行動の結果による自身のみじめな境遇について報復するだろう。
それにもかかわらず、PCには経箱を破壊してアサーラックの悪意を挫いたことにより75000経験点を得る。
もしPCが経箱に太陽光を当てようとするなら、以下の枠付きテキストを読むか言い替えろ:

 日光が経箱を洗う。突然、クリスタルから部屋のドームに向けて金色の光束がほとばしり、石の屋根を突き破って外部に放たれる。亡霊たちが光に沿って束となって飛び出し、闇の彼方へと飛び去る。たった2拍ほどの間で魂はすべて去る。金色の光束がきらめいて消え去り、周囲から消えそうな声が聞こえてくる。アサーラックの声だ! それは切れ切れに話す。「私は去る…、今のところは。」声はささやきのように細くなり、やがて何も聞こえなくなる。あなたが気付かぬ間に決着が付いたのだ;アサーラックの精神は四散した!


魂を解放することで、アサーラックのエッセンス、つまり彼の意識は分断され、千年に渡る認識も闇の中に四散する。上記のように、経箱を物理的に破壊することで、アサーラックのすべての計画は破壊される。彼の使徒は解放される。そして彼の魔法とタナーリの働きによって維持されてきた箇所は崩壊していく……やがて。
アサーラックのエッセンスはこのシナリオ中では完全に破壊することはできない。それは未だに残留している。そして時が満ちるにつれ、四散した断片は彼の邪悪な意志の下に集まり、やがてひとつの意識として結集するだろう。そうなったなら、そのクリーチャーがそれを忘れ去るか、より悪辣な計画を思いつかない限り、歪んだ目的を達成しようとするだろう。それが起こるためにどれほどの時間が必要かはわからない。しかしそれが必要な時間は膨大であることは疑いない(DMの判断)。
しかしながら、結果として短期間大いなる闇を押し返しただけとはいえ、2000以上の無辜の精神を破滅から救ったことは忘れてはならない。 デミリッチの精神に究極の断罪を与えられなかったことよりも、不安におののく魂を解放してやれたことは喜ばしいことだ。善属性のPCは、アサーラックを四散させ、彼の計画を砕き、経箱に捕らわれた魂を解放し、個々の属性に照らし合わせて平安を与えることができたということから、この任務達成に10000経験点を得る。
非常に強力で、決意が硬く、幸運に恵まれたパーティは、アサーラックを破壊した後に経箱に捕らわれた魂を解放かもしれない。そうするためパーティーは、第30区画のデミリッチ頭蓋骨を含めて“終末の要塞”内すべてのアンデッド・クリーチャーを破壊しておかなくてはならない(第26区画の失敗作も含む)。もしアサーラックが第31区画のメイルシュトローム・ゲートで逃げ出す前にすべてのアンデッド・クリーチャーが破壊されたなら、デミリッチは肉体を失ったままに経箱に撤退しなくてはならない(彼は時機を見るため積極的にそうする)。パーティーは経箱から精神を解放した後に経箱を破壊することができる。このように並外れた殊勲を上げたパーティーは250000経験点を受け取るべきだ。



これにて『恐怖の墓所、再び』を終える。作者はあなたとあなたのプレイヤーたちが、これを楽しみ、挑戦を求め、そしてそこに価値を見いだすことを望む。