“貪る者”アサーラック:2006『Tome of Magic, Pact - Vestige』より

Tome of Magic: Pact, Shadow, and Truename Magic (D&D Supplement)

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“貪る者”アサーラック/Acererak, the Devourer
アサーラック、ハーフヒューマンのリッチ。神の如きパワーを得ながらもそれを失う。残滓/ヴェステジとして、彼はリッチのパワーに類似した能力を与える。
伝説:バードと少数の学者だけがアサーラックの名前を記憶している。多くの者が知っているのは、彼の安息所である“恐怖の墓所”の伝説だ。この伝説に名高い、魔法で隠された場所に眠る富の噂が拡まるにつれ、“墓所”は多くの探検家と墓荒らしのための墓地になった。しかしながら、実際のところ、“恐怖の墓所”はアサーラックの墓ではなかった。それは永遠の非生を得、すべてのアンデッドに号令するという、彼の計画の一部にしか過ぎなかった。
アサーラックは日記を残した。そこに含まれる情報は、崇拝者たちの動きと合わせることでアサーラックの物語を明るみにさらす。彼の日記によると、アサーラックは人間の女性とデーモンの間に生まれた。彼はひどく醜い奇形であったにもかかわらず、彼の母親は彼を育てた。そして彼が10歳のある日、数名の迷信深い村人が彼らの家に火を掛けた。アサーラックはデーモンの血により大火を生き延びたが、彼の母親は違った。彼の日記によると、アサーラックはその出来事を心に刻みつけ、死霊術への傾倒と人間社会への復讐への原動力にした。
アサーラックは強力なウィザードになった。彼が老い、死の影が見えるようになったころ、彼はリッチへの形質転換儀式を捜し求め、見出した。彼がアンデッドに転じた後、その力は何世紀間にも渡って増大し続けた。日記によると、しかしながら、アサーラックは最終的に彼のアンデッドの体を活動させる力自体の衰えを感じていた。最後の忘却が間近くなったことを知り、彼は彼自身の秘密の墓所を作ることにした。「研ぎ澄まされた幸運と、磨き上げられた技術のみが、私から勝利を勝ち取るだろう」と日記には記されている。「そして、彼らはその努力に従った報酬を受けるべきだ」と。
日記によると、“恐怖の墓所”が提供する報酬は、一事が万事すべてにおいて、強力な冒険者たちをアサーラック - “終末の要塞”に鎮座する強力なデミリッチ - の“墓所”へとおびき出すための巧妙な計略に過ぎなかった。実際、アサーラックは強力な精神を犠牲に捧げることで、彼の意識を負のエネルギー界と統合する儀式を考案していた。もし彼が実際にこの目的を達成していたなら、彼はすべての次元界におけるアンデッドの支配権を奪い取り、神格の如き力を得て不滅の存在となっただろう。しかしアサーラックの日記には、“恐怖の墓所”の悪名は報酬を求める富に飢えた刺激好きたち以外も引き寄せたと記されている。嘆願者もやってきたのだ。知識への回答を求める死霊術師、永遠の生命の探求者、手段問わず失われた魂を求める者が、暗黒の技を求めて“墓所”への旅をした。高じて、嘆願者は崇拝者となり、道を踏み外した彼らは信仰の対処の近くに住み着いた。最終的に、“髑髏都市”と呼ばれる入植地がアサーラックの“恐怖の墓所”の周囲に出現した。
アサーラックが彼の“墓所”引き寄せた勇者は、彼が想定したより遥かに巧妙かつ強力だった。彼らは“髑髏都市”と“恐怖の墓所”を突破すると、デミリッチの“終末の要塞”への道をも切り開いた。土壇場で彼らはアサーラックの計画を予見し、彼の神格化に極めて重要なアーティファクトを破壊した。その後、彼らはアサーラックを打ちのめし、その経箱を砕いた。
通常であれば、アサーラックの精神はアビスに送られる。しかし“髑髏都市”の住民による崇拝は彼に神性に近い影響を与えた;負のエネルギー界と統合するという彼の欲求は、アビスの引力より強かった。アサーラックにとって不幸なことに、死した後もその魂が負のエネルギー界に飛べなかったことだ。彼の精神は目的地を失い、そのためどこにも行けなかった。そしてすべての次元界から切り離され、残滓/ヴェステジと成り果てた。