忌憎の輩/きぞうのともがら/Abomination/アバミネーション 『Epic Level Handbook』より

名称 Name サイズ 種別 *1 脅威度
アナークシム Anaxim 中型 人造、来訪者(秩序) 22
アトローパル Atropal 大型 アンデッド、来訪者(秩序、悪) 30
チチメコ Chichimec 中型 来訪者(風、悪) 21
ドリーム・ラルヴァ Dream Larva 大型 来訪者(混沌、悪) 31
ヘカトンケイレス Hecatoncheires 超大型 来訪者(混沌、悪) 57
インファーナル Infernal 大型 来訪者(秩序か混沌、悪) 26
ファエソン Phaethon 巨大 来訪者(混沌、悪、火) 34
フェイン Phane 大型 来訪者(混沌、悪、非物質的) 25
ジーゼカル Xixecal 超巨大 来訪者(混沌、悪、冷気) 36


 “忌憎の輩”とは過ち - 諸神格による思いがけない失敗 - から生まれた忌子だ。魂として堕胎されたにも関わらず生まれ落ちた“忌憎の輩”は、諸神格に匹敵する熱意を以て、純粋なまでに自分以前に生まれた存在とすべての自然由来のクリーチャーを憎悪する。
 “忌憎の輩”は諸神格が与えた出生時の苦悶の烙印により、不体裁でグロテスクな姿をしている。“忌憎の輩”は多種多様な姿をしているが、いずれも圧倒的なまでに恐ろしげだ。天国と地獄に呪われた“忌憎の輩”は、幾世代もの間幽閉されている。しかし時の経過に伴い、しばしば“忌憎の輩”は偶然に解放されたり、独力で脱走に成功する。“忌憎の輩”が出現するだけで、国家や世界、また次元界全体を恐慌状態に陥らせることができる。ありがたいことに、ほとんどの“忌憎の輩”は高位神格の命令により厳重に封印されている。
 “忌憎の輩”は神格のような煌めきを有している。そして彼女らは殺害されない限り事実上不滅だ(彼女らは実際のところ不滅ではないが、老化速度は極めてゆっくりであり、また彼女たちは食事、睡眠、呼吸を必要とし、まれに対立結果として殺害される)。彼女たちは信者に呪文を与えることはできないが、それでも若干の“忌憎の輩”は崇拝される。
 “忌憎の輩”は奈落語、天上語、地獄語、そしてしばしば彼女らが封印されている監獄に由来する言語(水界語、風界語、地界語、火界語)を話す。

戦闘/Combat

 “忌憎の輩”は大惨事に対して罪深いまでの喜びを表す。彼女らは自身に対する嫌悪を多次元世界全てに投影していることから、そのすべてを引き裂こうと試みる。ほとんどの“忌憎の輩”の目的は、生命の絶滅、死の蔓延、自身の存在の破棄である。“忌憎の輩”はほとんど食物を必要としないが、生きている犠牲者を食することである種の満足感を得る。

“忌憎の輩”の特徴/Abomination Traits

 すべての“忌憎の輩”は以下の特徴を共有する。

  • 完全耐性/Immunities(変則):“忌憎の輩”はポリモーフ、石化、またいずれかの形態変化型攻撃に対して完全耐性を得る。彼女らには生命力吸収、能力値吸収、能力値ダメージが適用されない。彼女らは[精神作用]効果([魅惑]、[強制]、[紋様]、[惑乱]、[鼓舞]効果)に対して完全耐性を得、さらに5種のエネルギー種別のうち1つに対して完全耐性を得る(“忌憎の輩”別による)。
  • 抵抗力/Resistances(変則):“忌憎の輩”は[火]抵抗20、[冷気]抵抗20、そして少なくとも30/+6 *2 のダメージ減少を持つ(特定の“忌憎の輩”はより高いダメージ減少を持つ)。すべての“忌憎の輩”は有意な呪文抵抗を持つ。“忌憎の輩”は探知魔法に対して抵抗力を持ち、“忌憎の輩”のHDに等しい術者レベルのノンディテクション呪文の影響下にあるように扱われる。
  • その他の特性/Special Qualities(変則):すべての“忌憎の輩”は疑似呪文能力として無限回のトゥルー・シーイングを持つため、幻術を穿ち、不可視のクリーチャーを見抜き、敵がまとうブラーやディスプレイスメントやその類似効果を無力化する。“忌憎の輩”は大規模ダメージからの即死が適用されず、またヒット・ダイス当たりのヒット・ポイントが最大値となる。“忌憎の輩”は変則的能力として500フィートの疑似視覚を持つ。“忌憎の輩”は特技選択時に非エピック級特技かエピック級特技のいずれかから選択することができる。
  • テレパシー/Telepathy(超常):“忌憎の輩”は1000フィート以内に位置する言語を持ついかなるクリーチャーともテレパシーで交信することができる。
  • サモン・クリーチャー/Summon Creature(擬呪):“忌憎の輩”はその祖神の権能や自身の監獄に関連するクリーチャーを招来することができる。例えば、祖神の権能に「天空」が含まれる“忌憎の輩”はエア・エレメンタルを招来することが可能であり、また地中深くに幽閉された“忌憎の輩”は(両親の権能と無関係に)アース・エレメンタルを招来することが可能だ。招来されたクリーチャーは疑問を抱くことなく“忌憎の輩”に仕える。招来されたクリーチャーは1時間が経過するか抹殺されたなら自動的に元の場所に戻る。招来に関する詳細については各“忌憎の輩”の項目を参照しろ。

“忌憎の輩”の作成/Building Abominations

 遥か彼方の監獄次元には無数の“忌憎の輩”が封印されている。そのため、DMは以下の情報を用いて新たな“忌憎の輩”を作成することができる。
 “忌憎の輩”は種別ではなく分類だ。実際のところ“忌憎の輩”は来訪者種別に分類されるが、これはデーモンが来訪者種別に分類されるのと同じだ。下段の表には“忌憎の輩”のサイズが示す基本的な肉体的能力値の一般値を表すものだ *3
 “忌憎の輩”は幾つかの特徴を共有する。

  • “忌憎の輩”の特徴/Abomination Traits:すべての“忌憎の輩”は神格やその眷属(または思索)から直接的に誕生するが(またはエナジムのように間接的に)、決して祝福されず、望まれず、愛されることはない。それでも彼女らは神格のかすかな煌めきを共有しており、上記の“忌憎の輩”の特徴を有する。
    (注釈:あなたが『Deities and Demigods』のルールを使用しているなら、“忌憎の輩”はランク0神格として扱われる)
  • 高速治癒と再生/Fast Healing and Regeneration:ほとんどの“忌憎の輩”は5から55の値の高速治癒および再生を持つ。通常、より高いヒット・ダイスを持つ“忌憎の輩”は同じく高い値の高速治癒と再生を持つが、これは必ずではない。もし、ある“忌憎の輩”が再生を得ているなら、それは通常少なくとも2つのダメージ源から、通常ダメージを受ける。1つは彼女らの副種別に対応するもの(例えば、悪の“忌憎の輩”は善の武器から通常ダメージを受ける)であり、もう1つは“忌憎の輩”が持つ唯一無二の特徴に結びつけられたものだ(例えば、太陽神の落し子である“忌憎の輩”は闇や夜が鍛えた武器から通常ダメージを受ける)。
  • 外皮/Natural Armor:すべての“忌憎の輩”は+10から+100の外皮ボーナスを得る。通常、より高いヒット・ダイスの“忌憎の輩”はより高い外皮ボーナスを得る。これは必ずではない。
  • 擬似呪文能力/Spell-Like Abilities:すべての“忌憎の輩”は擬似呪文能力として様々な呪文を使用する。彼女たちは“忌憎の輩”として20かそれ以上の術者レベルでそれらを用いる。“忌憎の輩”が疑似呪文能力をどれくらい得られるか/得られないかについては特に決まりはないが、インファーナルが良い指標となるだろう。
  • 唯一無二の能力/Unique Abilities:すべての“忌憎の輩”は、両親の持つ権能に結びついた唯一無二の能力を少なくとも1つ以上持つ。例えば、太陽神から生まれた“忌憎の輩”は目もくらむような光輝を放ち、周囲をすべて焼き尽くしてしまうかもしれないし、また周囲の光を奪い去って永劫の闇に変えてしまうかもしれない。
  • 呪文抵抗/Spell Resistance:一般原則として、“忌憎の輩”の呪文抵抗は彼女らの脅威度+12に等しい。

*1:3版データであるため3.5版としては調整が必要

*2:3.5版では10/エピックとかだろうか

*3:3版時代の表なので割愛