『指輪物語』の好きなシーン2

 「旅の道が暗くなった時に別れを告げる者は信義にもとるやからよ。」とギムリがいいました。
 「そうであるかもしれぬ。」と、エルロンドが言いました。「しかし、日の暮れるのを見たことがない者には、必ず暗闇を歩いてみせると誓わせぬがよい。」
 「けれど、誓いによって、揺れ動く勇気が強められるかもしれません。」と、ギムリがいいました。
 「あるいはその勇気を砕くかもしれぬ。」と、エルロンドがいいました。

『旅の仲間、下巻』130ページ