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 20世紀のSF

 21世紀初頭、病原菌によっては人類は死滅するが、ごく少数の者は天才的科学者の功績で生き延びることができた。以降人々は安全な都市を生活の場とし、4世紀に渡り命脈を保ってきた。
 しかしながら、この脱出劇には大きな誤算があった。病原菌に対する抗体の副作用に女性の不妊化が含まれていたのだ。天才的科学者は窮余の策として残された人類をデータベース化してクローンによる種の維持を図った。科学者自らも弟と共にクローンとなり、七代に渡り不妊を解除する研究を続け、そして都市を支配してきた。
 クローンは記憶を共有しない。同じ遺伝子を持つ別の個人でしかない。支配者である科学者と弟は自らのクローンを育て、過去を伝えることにより目的を維持している。ほんのわずか、あいまいなイメージとして記憶を伝えることは可能なようだが、それは主人公効果かもしれない。
 主人公イーオンは科学者の妻の七代目に位置するクローンである。病原菌に倒れた初代の彼女は彼女を快く思わなかった科学者の弟に遺伝子データを抹消され、永遠にこの世から消え去ろうとしていた。だが遺伝子管理人は優良な遺伝子を持つ彼女のデータをひそかに隠し、そのクローンは作られ続けてきた。現在、彼女は反政府組織に属し、かつての夫に反旗を翻している。


 そして現在、不妊治療の研究は完成し人類は解放されようとしていた。また偶然にも人類の不妊化も自然治癒しようとしていた。しかし科学者の弟はそれを快く思わず、支配を維持する目的で妊娠した女性を秘密裏に抹殺していた。
 反政府組織の存在が不鮮明なのだが、この圧制にも似た突然の虐殺行為が発端になっていると思われる。組織の頂点と思われるハンドラーを名乗る者も女性だし。


 これが画面から読み取れる範囲での設定。
 これっていわゆる正統派SFのパターンの一つだよな。死滅した人類。ごく一部の生き残り。隔離された都市。支配者と反乱組織。意外と良心的な支配者。その意に反する周辺。支配者と縁を持つ主人公。最後は人類の解放。
 思えば往年のアニメであるメガゾーン23もこの部類に当てはまる作品だ。
 どっかのブログに攻殻機動隊まんまとかあったのは仰け反った。知らない人にはそんなものかもしれんが。