デーモン・プリンス、オークレイメシュク Ochremeshk, Demon Prince from 〈魔神神殿〉

  オークレイメシュクはバロールであるが、その頂点に立つ存在である ‐ もしくはそれに非常に近い。彼がオルクスやイーノグフのように配下に命ずる力はないが、にもかかわらず彼は強力かつ恐るべきデーモン・プリンスである。彼の定命者の教団は、バロールとマリリスを幹部とし、低位のデーモン、ハーフ・デーモン、ボダックで構成された小軍勢からなる。
  オークレイメシュクは不快な、丈高い筋肉質な人型生物で(身長16フィート)、暗赤色の皮膚と爪の生えた手をしている。彼は翼のないバロールに大変似ており、炎に包まれた強大な剣を佩いている。
訳註:このデータは3e→3.5e改定に伴い訳者が若干の修正を施してあるがほぼ元データである。実際に3.5eで運用する場合、強大化バロールを使うべきだろう。また特技数も定数を満たしていないので、DMはデータ・ブロックの改訂を必要とするだろう。

オークレイメシュク 脅威度20
属性 混沌にして悪
サイズ 超大型
種族 来訪者(悪・混沌・他次元界・タナーリ)
イニシアチブ +7(【敏】+3、《イニシアチブ強化》+4)
感知能力 聞き耳+30、視認+30
言語 奈落語、天上語、竜語、テレパシー
AC 41、接触11、立ちすくみ38(サイズ−2、【敏】+3、外皮+24、鎧+6(ブレイサー による)
ヒット・ポイント 184(16ヒットダイス、16d8+112 )
ダメージ減少 20/善および冷たい鉄
完全耐性 毒、[電気]
抵抗 [冷気]20、[火]20、[酸]20
呪文抵抗 30
セーヴ 頑健:+14、反応:+12、意志:+16
移動速度 40フィート
近接攻撃 +2アンホーリイ・ヴォーパル・グレートソード  +26(4d6+12、対善+2d6)
  叩きつけ  +24(1d8+10、および恐怖)
全力攻撃 +2アンホーリイ・ヴォーパル・グレートソード  +24/+19/+14/+9(4d6+12、対善+2d6)
  叩きつけ  +24(1d8+10、および恐怖)×2
接敵面/間合い 15フィート/15フィート
基本攻撃/組みつき +16/+34
攻撃オプション 擬似呪文能力、恐怖、死の凝視、炎の衣、タナーリ招来
特殊アクション ダメージ減少20/善および冷たい鉄、呪文抵抗30、完全耐性:毒・電気、抵抗力:冷気20・火20・酸20、断末魔の爆発、身かわし(リング による)
能力値 【筋】30、【敏】17、【耐】24、【知】22、【判】24、【魅】22
特技 薙ぎ払い、薙ぎ払い強化、イニシアチブ強化、強打
技能 はったり+20、精神集中+19、交渉+20、隠れ身+20、威圧+20、知識:神秘学+20、知識:次元界+20、知識:地域+22、聞き耳+30、忍び足+20、捜索+21、真意看破+22、呪文学+21、視認+30
所持品 +2アンホーリイ・ヴォーパル・グレートソード 、このソードは距離が30フィートである他は12レベルのソーサラーが発動した呪文と同等なディテクト・グッド の擬似呪文能力を持つ。オークレイメシュクはブレイサーズ・オヴ・アーマー+6 リング・オヴ・イヴェイジョン を身につけている。
出現環境 いずれかの地上か地下
編成 単独、もしくは配下の一団(オークレイメシュク、バロール1〜2体、マリリス1〜4体)
脅威度 20
宝物 所持品参照
属性 常に混沌にして悪
強大化

戦闘 Combat
  たやすく予想できるように、オークレイメシュクは剣で戦うことを好む。敵が善属性である場合は殊に好む。彼は《死の形相》を利用し、止めるものとてない力と技術を用いて、巨大な武器を振り回す。彼はまたインプロージョン 能力を活用することを好む。
擬似呪文能力:術者レベル20(難易度16+呪文レベル)

  • 回数無制限:ブラスフェミィ、ディーパー・ダークネス、ディセクレイト、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、フィアー、グレーター・ディスペル・マジック、パイロテクニクス、リード・マジック、サジェスチョン、シンボル (いずれか)、テレキネシス、グレーター・テレポート (自身と50ポンドまでの物品のみ)、タンズ (自身のみ)、アンハロウ、アンホーリィ・オーラ、アンホーリィ・ブライト、ウォール・オヴ・ファイアー
  • 1日1回:インプロージョン、ファイアー・ストーム

恐怖 Touch of Fear(超常):オークレイメシュクの叩きつけ攻撃の命中を受けたクリーチャーは、意志セーヴ(難易度24)に成功しなければ恐怖のあまり1d6ラウンドの間逃走する。
死の形相 Death Visage(超常):1日1回、オークレイメシュクは顔を、50フィート以内に凝視攻撃を行う恐るべきデーモン髑髏のそれに変化させることができる。この凝視攻撃は、頑健セーヴィング・スロー(難易度24)に失敗したものを抹殺する。彼は6ラウンド以上この顔を維持することができず、そして、その間《炎の衣》と擬似呪文能力を使用することができない。
炎の衣 Body Flames(超常):オークレイメシュクはフリー・アクションで、自らの体を烈しく燃え盛る炎で包み込むことができる。オークレイメシュク自身はまったく害を受けないが、5フィート以内に存在するものはすべて2d6ポイントの[火]ダメージを受ける。オークレイメシュクと組みつき状態にあるものはすべて、各ラウンド4d6の[火]のダメージを受ける。
ディテクト・マジック Detect Magic(超常):オークレイメシュクは常時、ディテクト・マジック を行っている。これは20レベルのソーサラーが発動した同名の呪文と同様に扱う。
シー・インヴィジビリティ See Invisibility(超常):オークレイメシュクは常時、シー・インヴィジビリティ を使用している。これは20レベルのクレリックが発動した同名の呪文と同様に扱う。
タナーリ招来 Summon Tanar'ri(擬呪):オークレイメシュクは1日1回、自動成功で、10d10体のドレッチ、2d4体のヴロック、1d2体のマリリスかバロールを招来することができる。
断末魔の爆発 Death Throes(変則):殺された際、オークレイメシュクはまばゆい光とともに爆発し、100フィート以内にいるあらゆるものに60ポイントのダメージを与える(反応・半減、難易度22)。
技能:バロールと同様に、オークレイメシュクは〈聞き耳〉と〈視認〉判定に+8種族ボーナスを得る。

神格としてのオークレイメシュク Ochremeshk as a God
  彼は神格として崇拝されているが、オークレイメシュクは実際のところ真の神格ではない。幾体かのデーモン・プリンスが実際は他の邪神の身代わりであることは知られている。プリンスの信仰と引き換えに、邪神はデーモンの僧侶に対して、プリンスの名において望む呪文と能力を与える。背後にいる神格と比較して、これらデーモンの信者の教団は小さく信者も少ないが、そのようなことは神格が支払うべき些細な代償だ。
  ともかく、オークレイメシュクの教団は現実に存在する。そしてそれは今日よりも遥かに強大であった。その成員にとっては、彼は確かに神格 ‐混沌と悪、火と死の王だ。彼の信者にとって、彼は冒涜者である〈魔神〉だ。彼は破壊の神格である:同様に混沌と悪をも司る。彼は恐るべき血みどろの手段で殺された、無数の生贄を要求する。彼の邪印は彼自身の形相をかたどったデーモン髑髏である。そして彼に仕える報酬として、彼はちょっとした祝福を含む邪印を与える(デーモンスカル・タリスマン については『魔神神殿』を参照)。彼の主神殿は、彼自身の姿をかたどった石柱状の彫像である(イラスト参照)。
  オークレイメシュクは混沌と悪、破壊の領域を与えることができる。