弱音を吐くな/Never Say Die ダンジョン誌212号 201303


 

レベル4-6のキャラクター向けD&D冒険。

 “白羽山”の山影に、あまり知られていないちっぽけな地標として、その不気味なシルエットから不吉な名前を賜った"くたばりノールの目玉穴/Dead Gnoll’s Eye Socket"がある。これは“白羽山”の謎と財宝を探り当てようとした冒険者が、何年もかけて丘の地底洞窟に作り上げた避難所だ。その水飛沫がほとばしる洞穴は、仰向けに倒れたノールの眼窩を想起させた。最近になり、ノールの小部族がこの丘を占拠した。彼らの残虐な欲望とイーノグフへの献身から、彼らはヒューマノイドの獲物を捕えては狩るために放っていた。そして彼らの最新の被害者が君たちだ。

 『弱音を吐くな』はローレンス・シックが記したクラシックなAD&D冒険、『S2:白羽山の迷宮』で命名された場所で起こる。『弱音を吐くな』の舞台や敵は簡単にホーム・キャンペーン用に変換することができる。

 

背景/Background

 文明圏の極北、平原のど真ん中に離れ火山がある。その頂部からは羽のように白い蒸気が、熱い火山灰と共に噴き出している:これが伝説に謳われる“白羽山”だ。1000年前、変節のウィザード・ケラプティスが、“白羽山”の地下にダンジョンを掘り抜き、個人的な聖域とした。やがてウィザードは消え失せ、他のクリーチャーが彼のダンジョンを引き継いだ。火山の評判は徐々に拡まって行き、惹きつけられた多くの大胆な冒険者たちを悲運に導いた。

 最近になり、“白羽山”の南西に位置する奇妙な地形、"くたばりノールの目玉穴"の地下の小さな洞窟ネットワークを、ノールの小部族が占領した。複雑な洞穴を探検した結果、彼らは自然石の配列が気味悪いほど、彼らが崇めるデーモン・ロード、イーノグフに似ていることに気付いた。これこそはイーノグフの祝福の印であると見た部族はこの洞穴に定住し、“白羽山”の南部地域を縄張りに治めた。イーノグフに敬意を表し、ノールは知性を持つヒューマノイドを捕えると、近くにある“ねじくれた茨の藪”として知られる迷路に解き放ち、スポーツとしてそれらを狩った。ノールの涎を垂らす顎に多くの犠牲者が倒れた。勇者がこの血塗れのスポーツを止めないのなら、さらに多くの犠牲者が現れるだろう。
 

概要/Synopsis

 ノールはキャラクターを捕らえた。君がキャラクターに圧倒的なノールたちとの間に戦闘を行わせるか、単に説明するだけかは君が決定して良い(「ねじくれた茨の藪の中に」のテキストを読め)。

 キャラクターは鎧と衣類を除き、彼女らの装備品をすべて取り外される。その後ノールは“ねじくれた茨の藪”と呼ばれる広大ないばらの迷路に彼女らを連れて行き、そこで解き放つ。その後、重武装のノールが獲物を追い詰めて狩る。キャラクターは狩人の裏をかき、狩りを生き残らなくてはならない。

 ノールの狩人を処理した後、キャラクターは奪われた装備を奪還し、ノール部族に反撃するため、"くたばりノールの目玉穴"の下の洞穴に踏み込む。

ねじくれた茨の藪の中に/Into the Twisted Thickets

狩りの時間だ!/Hunted!

対決!/Showdown!

くたばりノールの目玉穴/Dead Gnoll's Eye Socket

入口/Entrances

第1遭遇:洞穴の急流/River Cave

第2遭遇:滑る階段/Slippery Stairs

第3遭遇:イーノグフの喉/Yeenoghu’s Gullet

第4遭遇:隠し洞穴/Hidden Cave

第5遭遇:骨の落とし穴/Bone Pit

第6遭遇:ノールの隠れ家/Gnolls' Den

第7遭遇:狭い通路/Tight Passage

第8遭遇:開いた顎/Open Jaws

第9遭遇:涙する目玉穴/Weeping Eye Socket

第10遭遇:燃える血だまり/Bloodfire Pool

 

冒険の終了/Concluding the Adventure

 キャラクターは彼女らの装備が、「第3区画:イーノグフの喉」か「第6区画:ノールの隠れ家」で、今までの犠牲者たちの所有物と共に積み上げられているのを発見する。ノールはこの場所にあった価値あるすべてを破壊している。

 ノールを処理し、彼女らの盗まれた所有物を奪還した後、キャラクターにはいくつかの選択肢が与えられる:

  • 彼女らは“白羽山”の地下にある、財宝でいっぱいのダンジョンのうわさを追うことができる。
  • 彼女らは目的のアイテムを求めて、“白羽山”北部の大湿原を捜索することもできる - そこには邪悪な沼地の魔女シンギザードの家やドラコリッチのドラゴサの棲処がある。
  • “白羽山”の北西にはミューコス城の廃墟が建つ。パーティーがその地に踏み込んだのは、その最後の所有者の子孫が失われた家族の先祖伝来の財宝を探すためだったのかもしれない。
  • "くたばりノールの目玉穴"の南にあるひび割れた地形は、その最深部でアンダーダークに続いているかもしれない。