ドラゴサの棲居/Dragotha's Lair アドヴェンチャラーズ・ギルド 199910-12


RPGAによる、AD&D2e用アドヴェンチャラーズ・ギルド・トーナメント・シナリオ

 ローレンス・シックによる『白羽山の迷宮』、ブルース・R・コーデルによる『白羽山の迷宮、再び』、そしてゲイリー・ガイギャックスとデイヴ・アーネスンによるD&Dゲームを基本とする。

 アドヴェンチャラーズ・ギルド・トーナメント『ドラゴサの棲居』では、最初にローレンス・シックが『白羽山の迷宮』として紹介し、その後ブルース・コーデルが『白羽山の迷宮、再び』として紹介した地域を再訪する。『ドラゴサの棲居』は6~8レベルのPC5~6名用に準備されている。これにはPHBとDMGが必要である。この冒険はドラコリッチとその棲居を紹介するだけではなく、事前作成キャラクターと2枚のマップが用意されている。『ドラゴサの棲居』をプレイするために『白羽山の迷宮、再び』は必要ではないが、これらの冒険はうまく連結することが出来る。
 

序文と概要/Introduction & Synopsis

 20年前に発見された地図の断片は、アンデッド・ドラゴン、ドラゴサの棲居を記したものだった。その断片には、最近復活したとされる古の悪しきウィザード、ケラプティスが支配する“白羽山”の位置も記されていた。その中でも、ケラプティスと“白羽山”は周囲の注目を集めていた。一方、ドラゴサの棲居は、それが何を意味するものか、謎のままであった。

 高名なアンデッド・ハンターである審問者タルダラスは、謎というものを憎んでいた。そのため彼はこれを調査するべく冒険者(PC)の一隊を召集した。タルダラスは正義と武勇の神ハイローニアス *1 の敬虔な使徒だ。アンデッド・ハンターを公言するタルダラスの目には最初のアンデッド・ドラゴンの名が映っていた。ドラゴサが本当に存在するとして、彼が何ゆえに数世紀間にわたり不活性状態であるのかといった瑣事はタルダラスには関係なかった。眠れる悪しきアンデッドは打ち倒されなくてはならないだけだ。

 タルダラスの持つ特殊な知識をもとにして、アンデッド・ハンターに率いられた一行はドラゴサの棲居を見いだし、その中に降りていく。棲居は巨大な墓所であり、より小型のアンデッドや凶悪な罠が満ちている。特に幸運かつ勇猛な一行であるなら、最深部まで到達してドラゴサ自身を見いだすだろう。伝説に語られるように、ドラゴサはまさしくアンデッド・ドラゴン、すなわちドラコリッチである。英雄たちにとって幸運なことに、ドラゴサは“心臓”を持たないため英雄たちを打ち倒すことができない。不幸なことに、覚醒したドラゴサを惰眠に引き戻すためには、最も気高い英雄の自己犠牲が必要である。もし英雄がこの究極の自己犠牲を好まないとしたら、タルダラスはこの運命を受け入れることができる。
 

準備/Preparation

 『ドラゴサの棲居』はAD&D2e用にデザインされた冒険『白羽山の迷宮、再び』のサプリメントである。この冒険を動かすために『白羽山の迷宮、再び』は必要ではないが、DMはPHBとDMG、MMを用意すべきである。

 DMはD&Dゲーム・ルールを理解し、ゲーム開始前に新規プレイヤーにゲーム・システムとキャラクター・シートの概要について説明すべきである。これは4時間のセッションでプレイ可能な中程度の冒険である(6-8レベルPC、5-6人用)。冒険に使用可能な、7体の7レベル事前作成キャラクターが用意されている。しかし条件を満たしていれば他のキャラクターでもかまわない。プレイを容易にするため、開始前に事前作成キャラクターを印刷するかコピーしろ。

 枠で仕切られた文章は、DMがプレイヤーに提供する情報である。読み上げるか適切に言い換えろ。必要であるなら末尾に示されたマップを印刷して周囲の配置を示せ。
 

そして冒険は始まる/And so it Begins

 事前作成キャラクターを配布しろ。以下の枠内の文章を、『ドラゴサの棲居』に参加するプレイヤーへの序文として読むか言い替えろ。
 

 君たちは大胆不敵かつ、数多くの冒険をこなしてきた、ベテラン冒険者である。最近君たちは、審問者タルダラス、高名を馳せているアンデッド・ハンターに出会った。北方に眠る、謎のアンデッド・ドラゴンに関する物語に興味を持った君たちは、真実を探求する彼の探索に参加した。タルダラスは、危険に対する支援の謝礼として、発見された宝物は頭割りすることに同意した。タルダラスが興味を持つものはただひとつだ:アンデッド・ドラゴンのドラゴサを発見し、打ち破ることである。

 PCに、短時間でお互い同士を簡単に自己紹介させろ。概要を説明した後、プレイヤーに遠征隊がすでに進行中であると知らせろ。数週間に渡る陸行で辺境を踏破した後、タルダラスに率いられた一行はドラゴサの棲居に接近した。タルダラスはPCに、彼が案内のために使用しているマップを見せた(プレイヤーに棲居周辺マップを示せ)。ゲームは棲居周辺マップの、『現在地/You Are Here』から始まる。

 もしまだ答えていないとしたら、この時点でタルダラスは快くPCの質問に答える。タルダラスは以下の情報を知っている:

ドラゴサ/Dragotha

「ドラゴサ伝説は、大変古いものだ。実際、あまりに古いため、誰ひとりとしてアンデッド・ドラゴンの棲居を忘れてしまうほどだった。しかしながら、私は今まで盗掘を受けたことのない塚の中から、マップとルーンストーン・キーを発掘した。名声を勝ち得たアンデッド・ハンターとして、私は即座に探索することを誓った:ドラゴサを見いだし、そして破壊する! と。」

ドラゴサの棲居/Dragotha's Lair

「私が塚で学んだことによると、ドラゴン教徒の一群が、自らドラゴサの配下に加わったらしい。傍目にも明らかにドラゴサが不活性化したことにより、教徒はドラゴサの周囲に壮大な墳墓を作ると、自身らも内部に立てこもったようだ。私は、なぜドラゴサが不活性化したかは知らない。しかし私は彼が存在する限り、彼が善に対する冒涜であることを知っている。」

白羽山/White Plume Mountain

「我々はその峰を大きく迂回するルートをとった。噂では、悪しきウィザード・ケラプティスが復活したらしい。しかしながら、それは現在、我々の探索には関係がない。」

棲居周辺マップに示された他の場所/Other Locations on the Overland Map

「私はミューコス城/Castle Mukosやシンギザードの小屋/Thingizzard's Hutのような場所に、我々が関心を示す必要があるとは思わない。実際、私は棲居を直撃することを好む。しかし私は、マップ上の他の場所に、陸路で赴くことも興味深いと考える余裕はある。私は本当のところ、2箇所の廃墟を除いて、それらにどれほどの価値があることなのかわからない。」

廃墟/Ruins

「カハーダリン/Caherdalenとロスサザン/Lossathanの廃墟は数百年前に滅んでしまった。かつて、それらは繁栄した都市であった。伝説によると、双方の共同体はドラゴサにより滅ぼされたという。」

大湿地/The Great Swamp

「この不快な沼地には、ありとあらゆる種類の恐るべきクリーチャーが住んでいるという。我々は腹を空かした沼地の怪物の食事にならないよう、足を生かすべきだろう。」

*1:旧神。現在はコード