300 スリーハンドレッド

 近接戦闘!


 『デルモピュライの戦い *1』を映画化したとされる作品。
 スパルタといえばアテナイに知恵比べで敗北したり、きっつい鍛錬の象徴となったりで筋肉ダルマのダメ国家なイメージが強かったのだが、なかなかどうして知略は持っている描写だった。
 300人で100万人を迎撃するという大胆な話で、面で攻められないように隘路を利用したり、恐怖を与えて戦意を挫いたりと基本は押さえている。それも裏切りにより瓦解してしまうわけだが、ああいう脇道は斥候が真面目にやっていれば見つかるものなので、あの裏切りは不要だったな。


 D&D的に言えば、スパルタ軍は6か8レベルのファイター集団 *2 で構成され、ペルシャ軍は3レベル以下のウォリアーを主軸程度かと。「不死軍団 Immortals」は4レベルのファイターかもしれないが。
 盾で突き押ししてバランスの崩れた相手に一撃を加える技が主流。《軽妙なる盾さばき》*3 が必須かも。他にも《跳躍攻撃》とかいろいろ思い当たるルールが頻出するw
 オーガ程度の巨人(症の人)とか超大型の強大化ライナセラスとか、巨大エレファントとかでかいクリーチャーには事欠かなかった。たのしいなぁ、でかいクリーチャーw


 愛だの何だのを前面に押し出して愛国心を煽るあたりは最近の米国事情からしてしょうがない気がするが、スパルタの理屈はそのまんまアラブ諸国にも適用できる気がする。当初はスパルタ王を愚者と描くつもりかと思ったのだがたった300人で向かったのは賢王の苦肉の策でしかなかったし、今現在映画化する意図がつかめん。
 監督は対イラク戦反対派なのかもしれん。

*1:ペルシャによるギリシア侵攻をスパルタの精鋭が迎撃した史実。結果的には玉砕であったわけだが、彼らが撤退に必要な一週間を稼いだため、ギリシアの民は都市を捨てて脱出する事が出来た。スパルタ軍はスパルタを救っただけではなく、ギリシア文明自体を救ったとされている、と聞いた

*2:レンジャーかも

*3:PHB2