モブ Mobs:暴徒の意

  激怒するモブとはクラウドの最も危険な形態である。モブが激怒した理由はPCにあるかもしれない、また無関係であるかもしれない。しかしモブの一般則によると、モブの心理傾向は個々人の目的に優先して解決され、たまたま視界に入ったPCをモブは怒りの焦点として捉える。
  モブは大きめなクリーチャーで構成されること以外、スウォームと同様に1体の存在として扱われる。モブは小型、中型、大型クリーチャーで構成される。しかし全ての個体は同種のクリーチャーでなくてはならない。ゴブリン・クラウドとチョーカー・クラウドから構成されるモブは、2体の別々なモブとして扱う。あなたは特定種のモブを作るため、以下のテンプレートを使うことができる。
  “モブ”はいずれかの小型、中型、大型クリーチャーに追加することが出来る後天性テンプレートである。一般に、モブは一時的なものである;モブは成立後、せいぜい1d4+1時間だけ持続した後に解散する。当然ながら、たいていのモブはより早く解散する。そのきっかけとなった原因がなくなったなら持続する理由はない。ここで記されたこと以外について、モブは基本クリーチャーの【能力値】や特殊能力を使用する。

  • サイズと種別:1体のモブは、48体の小型/中型クリーチャーか、12体の大型クリーチャーで構成される巨大クリーチャーである。モブの種別は基本クリーチャーのまま変化しない。
  • ヒット・ダイス:モブは独自のヒット・ダイスとヒットポイントを持つ。すべてのモブは30ヒット・ダイスを持つ。モブを構成する個体や個人の能力、経験は全体に寄与することはない。この値はその種族やクラスよりモブの心理的特性や物理的な質量を意味している。ヒット・ダイス種別はモブの種族ヒット・ダイスを用い、モブが得ているかもしれないクラスによるものは使用しない。そのためコモナーのモブはヒット・ポイントを決定するに当たってd4ではなくd8をロールする。
      モブのヒット・ポイントを0以下に低下させたならそれは解散するが、それまでは攻撃を行うか攻撃に抵抗する。モブはよろめき状態にはならず、ダメージを受けたことによる瀕死状態にはならない。
  • イニシアチブ:モブのイニシアチブ修正値は常に+0である。
  • 移動速度:モブの移動速度は基本クリーチャーのそれより10フィート遅い。
  • アーマー・クラス:基本クリーチャーと同じであるが、巨大サイズなため−4ペナルティをこうむる。
  • 基本攻撃ボーナス:すべてのモブは30ヒット・ダイスを持つため、彼らの基本攻撃ボーナスはその種別により決定する。
種別 基本攻撃ボーナス
フェイ、アンデッド +15
異形、動物、人造、エレメンタル、
巨人、人型生物、粘体、植物、蟲
+22
竜、魔獣、人怪、来訪者 +30
  • 組みつき:基本攻撃ボーナスに加え、サイズによる+12、適切な【筋力】修正値を加える。
  • 攻撃/全力攻撃:モブは一般的な攻撃は行わない。どちらかと言うと、彼らの戦闘はスウォームに類似している。モブは移動を終了したマスを占めるいずれかのクリーチャーに対して5d6ポイントの[殴打]ダメージを与える。これには攻撃ロールは必要ない。モブの攻撃には視認困難や遮蔽は無視される。基本クリーチャーの攻撃が魔法によるものでないのなら、モブの攻撃は非魔法である。モブの攻撃に対してダメージ減少は有効である。
  • 接敵面/間合い:モブの接敵面は20フィートであるが、間合いは0フィートである。攻撃のためには対抗者の接敵面に進入しなくてはならないが、それは機会攻撃を誘発する。それは他のクリーチャーの接敵面内に留まることが出来る。モブが敵の接敵面に入り込むことが出来るように、逆に入り込まれることもある。そのような場合、モブは機会攻撃を行うことができる。モブは構成クリーチャーに大きさまでの戸口などを通過することができる。
      より大きなモブは単体のモブを複数用意することが表現できる。一般的なモブは正方形をしているが、より大きなモブは任意の形に成形される。
  • 攻撃オプション:モブの心は激情に駆られている;その結果、モブを構成する個々のクリーチャーはブレス攻撃や擬似呪文能力といったアクションを必要とする攻撃オプションを使うことが出来ない。もし基本クリーチャーが与えるダメージに影響を与える攻撃オプション(毒、生命力吸収、能力値ダメージ、つかみ強化、締めつけ、引き裂き、飲み込みなど)を有しているなら、それらの特殊攻撃はモブによりダメージを与えたクリーチャーに対して作用する。凝視攻撃のような常時機能し続ける攻撃オプションは通常に機能し続ける。これらの攻撃のセーヴ難易度はモブの30ヒット・ダイスに基づき再計算するべきである。
      加えて、モブは次の攻撃オプションの1つか両方を得る。
格闘家 Expert Grappler(変則) モブはペナルティを負うことなく、複数の目標に対して組みつきを行うことが出来る(通常、複数目標に対して組みつきを行なう場合、組みつき判定に−20ペナルティをこうむる)。組みつき中、モブは立ちすくみ状態にはならない。
蹴散らし Trample(変則) モブは単純に移動することでクリーチャーの接敵面を越え、通り過ぎることで蹴散らし攻撃を行うことができる。蹴散らされたクリーチャーは2d6+【筋】ボーナスの1.5倍のダメージをこうむる。犠牲者はモブに対して機会攻撃を行なうか、あるいはダメージを半減させるための反応セーヴ(難易度25+モブの【筋】修正値)を行なうことができる。
  • 特殊能力 Special Qualities:モブは基本クリーチャーのすべての特殊能力を維持する。加えて、それは以下の特殊能力を得る。
      モブの構造 Mob Anatomy(変則):モブは明確な前後や認識可能な構造を持っていないため、クリティカル・ヒットや急所攻撃の適用を受けない。モブは挟撃されることがなく、足払いされることもなく、組みつかれず、突き飛ばしを受けることもない。
      一般的なスウォームと異なり、モブは比較的少数のクリーチャーで構成されているため、特定の数のクリーチャーを目標とする呪文や効果はモブに効果を与えることができる。特定のクリーチャーに対して効果を持つ呪文や効果により、クリーチャーが殺されるか瀕死状態になった場合、モブは負のレベル2をこうむる。ヒット・ポイントが0以下に低下するか、ヒット・ダイスに等しい負のレベルを与えられたモブは解散する。この形態で与えられた負のレベルは負のエネルギーの結果ではなく(そのためデス・ウォードによって阻止されたり、レストレーションによって除去されることはない)、そのため永続的なレベル損傷をもたらさない。モブは範囲に対して効果を与える呪文や効果からダメージをこうむった場合、追加ダメージをこうむる(+50%)。
      モブは1体のクリーチャーとして扱われるが、モブを構成する個体は時に個別に判定する必要がある。もしモブが非致傷ダメージをこうむって解散するなら、誰も死ぬことはない。もしモブが致傷ダメージにより解散するなら、30%の確率で死亡し、30%の確率で0ヒット・ポイントになる。特定の個体の運命を決定するため、パーセント・ロールを行なえ:01〜30であるなら死亡し、31〜60であるなら0ヒット・ポイントになり、61〜100であるなら負傷することなく解散する。
  • セーヴ:モブのセーヴィング・スローはその種別の30ヒット・ダイス・クリーチャーとして計算しろ。モブの基本良好セーヴは+17であり、基本劣悪セーヴは+9である。
  • 能力値:モブの能力値は基本クリーチャーと同じであるが、【知力】【判断力】【魅力】は10にまで低下する。もし基本クリーチャーの【知力】【判断力】【魅力】が10未満であるなら、それは変化しない。
  • 技能:基本クリーチャーと同じであるが、モブの30ヒット・ダイスに基づく再計算は行なわない。モブの新たな【知力】【判断力】【魅力】は、技能の修正値を変化させる可能性がある。
  • 特技:基本クリーチャーに同じ;すべてのモブはボーナス特技として《突き飛ばし強化》と《蹴散らし強化》を得る。
  • 編成:単体、2体、徒党(3〜12体のモブ)。
  • 脅威度:8、もしくは基本クリーチャーの脅威度が7以上であるなら基本+2。
  • 強大化:
  • レベル調整値:


Dungeon Master's Guide II: Dungeons & Dragons Rulebook (D&D Rules Expansion)

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