ウォーフォージド・ラプターとアーケイン・バリスタ:最終戦争に登場した傑作(駄っさく?)兵器 in エベロン


は、エベロン世界における最終戦争(コーヴェア大陸の大半を占めていたガリファー王国を4+1の王国に割った、100年戦争のこと)を詳細に解説したサプリだ。
 まあ、翻訳されてないし、戦争の概略は



にも載っているから、欲しい人だけ買えなのだが。


 で、上記サプリをチラチラと眺めていたところ、巻末149ページからの『新しいモンスター』の項におもしろモンスターが2体ほどいたので紹介する。




 1体目はカニス家の生み出した傑作。飛行するウォーフォージドであるラプター(12HDの大型人造)。イラストはこれ。


 4枚の皮のような丸い翼が、巨大な金属のボディーを舞い上がらせる。 そのシルエットから、あなたはそのクリーチャーをジャイアント・ドラゴンフライと勘違いするかもしれない。しかし、それは最初だけだ。 あなたはずんぐりした昆虫の頭部を思い描くだろう。しかし長く伸びた首の先にあるのは、巨大な鷹のくちばしやヘヴィ・ピックの先端のような、特徴のない鋭い切っ先だ。尾はドラゴンフライの持つ優美なものではなく、それは金属の扇のようなミスラルで作られた尾羽だ。


 ウォーフォージド・ラプターはアンデールのドラゴンホークやスレインのワイヴァーンへの対抗策を欲した国家にカニス氏族が売り出した戦闘用の人造だ。 これは空戦に適してはいるが、ラプターが最も真価を発揮するのは対地攻撃の時だ。


戦略と戦術
 ラプターは《かすめ飛び攻撃》や《strafe》能力 *1 を持つことから、対空戦闘よりも対地戦闘を好む。 彼らは破壊的な《power dive》攻撃 *2 も行なえるが、これは既に弱体化させた敵のとどめを刺すときに用いられる。なぜなら彼らの地上での運動能力は絶望的なほど遅いからである(地上15フィート、飛行90フィート)。 空戦であろうと否かに関わらず、ウォーフォージド・ラプターは単一の目標を撃破するまで攻撃を集中し続け、その後に次に向かう。 それは、標準的な低レベル兵士のような弱い敵を多数撃破するためや、複数の防御陣に同時爆撃を行うために《strafe》能力を使う。


生態
 人造として、ウォーフォージド・ラプターは食餌を必要としない。 彼らは完全に自然体系から外れた存在だ。
 ウォーフォージド・タイタンなみに効果的であるが ‐ 戦場を選ぶため ‐ ラプターは大量生産されることがなかった。 それを飛行させるためには魔法の支援が必要であるため、作成者は重い鋼に代わって大量のミスラルを使わざるを得なかった。 その結果、ラプターの費用対効果は決して高いものではなかった。そのため、最終戦争の全歴史を通じ、生産されたのは数百体にとどまった。


存在環境:
 いずれかの地上。 ラプターは命ぜられた戦場のどこにでも行く。しかし彼らは上空からの攻撃に特化しているため、彼らはめったに森林のような遮蔽された地域には赴かない。ウォーフォージド・ラプターは、敵対国家間の国境線付近で散見される。敵国深くまで侵攻が可能であるからだ。


典型的物理特性:
 標準的なウォーフォージド・ラプターの体長は10フィートであるが、その半分ほどは蛇腹状の首が占めている。そして翼幅は15フィートである。 基本となるフレームはミスラルで構築されているため、それは大きさの割には軽く、およそ1250ポンドである。 そのくちばし状の頭部には知覚器官はなく、それは主要武器として機能する。ラプターは6本の蟲様の足を持ち、金属の骨に革を張った4枚のドラゴンフライ様の翼を持つ。 ラプターが効率的に飛行するには4枚の主翼すべてを必要とするが、短時間であるなら2枚の翼のみで飛行やホバリングをこなし、残る翼で敵を撃ち叩くことができる。
 初期型のラプターは胴体下に大きな皮袋を下懸し、岩投げ攻撃用の石を搭載していた。袋には6個の石しか搭載できなかったため、ラプターは6回の遠隔攻撃か、2回のストライフを行うことしかできなかった。 後期型では魔法技術が取り入れられ、袋の中には常時こぶし大の礫が充填されるようになった。 これら後期型は、実際のところ無限の弾体を持つ。


属性:
 ウォーフォージド・ラプターの知性は限られたものでしかなく(【知力】5)、通常は秩序にして中立 ‐ つまり規則と命令に忠実だ。彼らは自らの行動が帰結する道義的責任には無関心だ。 少数のウォーフォージド・ラプターは悪属性に流れ、残酷な性質を得る;善属性のラプターは希少だ。

  ウォーフォージド・ラプターについての神秘学知識
18 ウォーフォージド・ラプターは戦争のために作られた人造で、高空から致命的な攻撃ができる。この判定により人造の種別特徴を明らかにする。
23 ラプターはウォーフォージド・タイタンのように、問題解決についてちょっとした行動を行なうこと、そして比較的複雑な戦略を学ぶほどには十分知性的だ。 しかしながら、彼らは自我がなく、そして他のいかなる人造と同様に愚直に忠実だ。この結果により、《power dive》攻撃と《strafe》能力の詳細が明らかになる。
  ウォーフォージド・ラプターについての歴史知識
18 カニス氏族はタイタンを製造して間もなくウォーフォージド・ラプターの製造を開始したが、飛行可能にするために大量のミスラルを使わなくてはならないことから、大量生産することはできなかった。
23 サイアリとブレランドがもっともウォーフォージド・ラプターを使役したが、ほとんどすべての国が要所要所にこれを配備していた。 通常型のウォーフォージドの生産を開始した後、カニス氏族はラプターの高知力版を作ることを考えたが、それに対する利益が見当たらなかったため、その構想は放棄された。うわさでは、少数の高知力型ラプターが1ダースから半ダースほど、試験型として生産されたとされている。


 2体目は究極の萌兵器、アーケイン・バリスタ(6HDの大型人造)。イラストはこれ。



 どうだ、萌えるだろ? ( 。ω ゜)
 こんなのがキュラキュラと大量に接近してきて、ドッカンドッカン巨大ボルト打ちまくる勇姿。そしてそれを破壊しようと接近する敵に対して装填用のアームをブンブン振り回す姿。これを見て萌えない人間はいるだろうか? いや、いない! (キリッ!!
 ジャガーノートなんざ目じゃないぜ!


 これは一見したところ、無人のお飾り戦闘兵器のようだ…。しかしそれは自分で向きを変えると、自分だけで装填準備を始めた。


 アーケイン・バリスタは自律化した攻囲装置であり、恐るべき効果を及ぼす魔法で強化された弾体を自分自身で装填することができる。 アーケイン・バリスタはコマンド・アミュレットで制御されている;アミュレットを身につけているのが秘術術者であるなら、それに容易に命令を与えることができる。
 アーケイン・バリスタは、一般的に遠距離目標にボルトを撃ち込む事で攻撃する。 もし近接戦闘が迫ってきたなら、それは隣接した敵に対して棍棒のような装填腕で立ち向かう。


戦略と戦術
 アーケイン・バリスタは意志を持たない人造であり、一片の判断力も持たずに指揮官に従う。 それ自身は装置でしかないが、敵が隣接した場合は叩きつけ攻撃で自衛戦闘をする。


生態
 アーケイン・バリスタは意志を持たない人造であり、飲食も睡眠も呼吸も必要としない。それらは弾体としてスピアのようなボルトを使用するが、その弾体には構築時に吹き込まれた魔法の一部として、魔法効果が付与される。 それらは戦争兵器であり、ウォーフォージド・タイタンほどの基本的知覚力さえ欠けている。したがって、それらは指揮官に絶対の忠誠を尽くす。
 アーケイン・バリスタを制御するアミュレットは、バリスタを製造する過程で作り出される。それは秘術呪文を発動できるキャラクターが装備した時だけ機能する。


存在環境:戦争兵器であることから、一般にアーケイン・バリスタは戦場で見いだされる。 少数のアーケイン・バリスタは、カニス氏族の飛び領土や貴族の私有地、軍の工廠で散見される。


典型的物理特性:アーケイン・バリスタは、約12フィートの金属架台に据えられ、装甲で覆われた巨大ヘヴィー・クロスボウである。 その重量は約100ポンドだ。 顔に相当する部位がないにもかかわらず、それは目を持ち、《暗視》と《夜目》で周辺環境を知覚する。


属性:意志を持たない自動機械であることから、アーケイン・バリスタは常に真なる中立だ。

  アーケイン・バリスタについての神秘学知識
15 これは明らかにバリスタだが、人造のように自律活動する。それは自我を持たず、基本的な知覚力すら欠けている。この段階で、すべての人造の特徴も明らかになる。
20 アーケイン・バリスタは、鏃に魔法の炎をまとった巨大なクロスボウ・ボルトを発射する。 もし追い詰められたなら、それは装填腕を使って隣接した敵を攻撃する。

 はやく4eにも出てこないかな〜 (^ω^)

*1:90フィート飛行中に3回岩を投下する爆撃能力

*2:突撃後に全力攻撃を行なえる