デミリッチ/Demilich:1998:TSR1162 2e『恐怖の墓所、再び』より

RETURN TO THE TOMB OF HORRORS (Adventure)

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概要
かつて何があった What Has Gone Before
墓所”の伝説は何世紀もかけて徐々に文明の地に広まっていった。盗掘されていない財宝を秘めた地下埋葬所の噂は、多くの年月に多くの冒険者を引きつけ、幸運と栄光を求めて未踏の大地を進ませた。ほとんどが“墓所”を発見することができなかった。そして帰ってくるものは稀だった;アサーラックの安息地の伝説は、曖昧な富と危険を湛えた噂のままであり続けた。
そしておよそ20年が経過した。“墓所”に関する報告は不明瞭な理由で遠くまで広まっていった。皮肉にも、卓越した技能と狡知、幸運に恵まれなくては生還困難なダンジョンという評判が探検家たちを誘惑したのだ。致命的な罠も、迷宮のような迷路も、死を乗り越えた先で墓地を守護する邪悪な妖術師も警告の意味を成さなかった。彼らはアサーラックの挑戦に応えるため各地からやってきた。“墓所”を見いだし、残酷な暗黒を押し通った者たちは、伝説が未だ誤っていなかったことを悟った。死は用心深い者にも、無鉄砲な者にも同様に与えられた。少数が引き返した。そしてより多くが探検中に死んだ。極めて少数が、“墓所”を突破することに成功し、アサーラックの物理的形態の形骸:デミリッチを発見した。そして勇敢なごく少数だけが真の恐怖を見出した;デミリッチの邪悪なパワーはひと睨みするだけで、彼らの肉体を崩壊させ、精神を永遠に苦しめることができたのだ!


それからどうした What Has Happen Since
最終的に、恐怖を生き延びた者たちは“墓所”を脱した。ある者は仲間を失い、手足を失い、また両方を失ったが、再び太陽を拝めることを幸運と感じた。アサーラックの強固な地下墓地の物語は、これらの追い払われた頑健な魂が広めた。それがまた別の者を暗黒に挑ませた。時が流れるにつれ、冒険者流入は減った;ある者はもはや探検はされ尽くしたと考えた。また別の英雄志願者は、より安全な道で名声と栄光をつかむことに決めた。その地域に惹きつけられた者の中には、“墓所”の深部に興味を持たなかった者たちがいた。彼らは一様にアサーラックの伝説を、並外れた魔力と死を乗り越える秘密の護持者として描き出した。時が過ぎるにつれ、意見を同じくする人々は大沼沢地の“墓所”を納める塚の周囲に集まってきた。これは純粋に知識を追い求める都市でなかったが、墓荒らしの集団でもなかった。この険しい側面を持つ新たな都市に集まった人々は、非生に至る禁断の術を身につけようと努めた。実際のところ、彼らはほとんどが闇の技:死霊術の実践者だった。こうして“髑髏都市”は生まれた。
“髑髏都市”の住民は、闇の技が彼らにもたらす力に取りつかれていた。この哲学に基づき、彼らの敬意はアサーラックと彼の業績に捧げられ、最終的に強力なリッチの側面である“貪る者”信仰へと発展した。彼らはアサーラックの“墓所”の入口を取り巻くように大規模な学園都市を築き、デミリッチの注目や好意を得るために毎週の典礼すら作り上げた。しかしながら、彼らの持つすべての邪悪な儀式と暗黒の知識を挙げてデミリッチの精神と交信しようとしたにもかかわらず、“髑髏都市”の誰一人として真実への気付きを得ることはなかった。アサーラックの真実の姿、最終根拠地の場所、彼の悪意に満ちた究極目的は未知のままで、すべては黒い謎だった。


今はどうなった The Current Situation
現在のところ、世界の大部分は幸せなことに、“髑髏都市”の存在を知らなかった。この結果、最近発生した一連の悪しき事件は極めて危険な事態となりつつあった。これら事件には、文明地域へのアンデッド侵略、亡霊出没、誘拐、失踪の増加が含まれる。周辺国家では特に証拠はないものの、これらは個々の犯罪者による事件であると考えられていた。ただ、これらすべての原因は大沼沢地にあると推測されていた。

この疑念は部分的に正しい;“髑髏都市”の住民(彼らは自身を不遜にも“隠れ待つ者”を自称していた)は、最近劇的に邪悪な活動を増加したからだ。彼らの活動は、最近になり“暗黒学園”の大気を満たし始めた奇妙な現象に乗ったものだ。“隠れ待つ者”はその効果を浸闇と呼んでいる。とりわけ浸闇は、死霊呪文と負のエネルギー界に関連する呪文を強化した。実際、地域全体で殺された人が即座にアンデッド・クリーチャーとして動き出す状況が散見されるようになった。(近隣のアンデッド侵攻は、地元墓地に眠る者たちが動き出した結果だ)。
浸闇が何を意味するかは“隠れ待つ者”にも不明なままだ。しかし彼らはそれがアサーラックの啓示で、間もなく重要なことが起こると信じていた。このため、彼らは生贄や邪悪な儀式、悪しき儀式の頻度を上げ、距離を問わず付近の共同体の新鮮な肉を求めて襲撃を行なった。浸闇の性質については後述する。