君たちはどう生きるか

 軍事成金で無神経な父を持ち、空襲で母親を失った少年が、母親の妹である継母との間で折り合いをつけるため、内宇宙ファンタジー世界を冒険する映画。
 継母との折り合いが展開したことから、内宇宙ファンタジー世界は真実であるとも考えられるが、現実的状況はノイローゼの末に廃墟塔内に入り込んだ継母と少年の対話による解決であったとも考えられるので(内宇宙ファンタジー世界はあくまでもイメージ)、実際にあの冒険が存在したかについては不明である。

 少年は慇懃無礼であり、周囲に溶け込むことができない拗れた性格をしているが、最後に振り返ることなく自室を出立した状況から、彼がどの程度成長したかは不明。少年が真人間に近づいた可能性はあるが、田舎生活(内宇宙ファンタジー世界)を断ち切りたい意思とも読める。

 いずれにしても、内宇宙ファンタジー世界は記憶にとどめることができないと明言されたため、その後の影響は未知数である。


 なお、ばあやのキリコは、血縁者だけが見聞き立ち入りできる内宇宙ファンタジー世界で生活していたことから、一族の血縁者であると考える。船乗りのキリコは在りし日の姿なのだろう。